第69回話音倶楽部

2014年3月21日(金)


2014年3月21日(金祝) 午後4時開演 
 
【出 演】
市川敦嗣(マンドチェロ) 
◇共演:アンドウマユコ(ピアノ)-特別出演-

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春はもうすぐそこ!というような気持ちの良い晴れ渡った空のもと第69回話音倶楽部が和やかな雰囲気のなか開演しました。

1曲目、加賀城浩光作曲の「Inspiration」(チェロソロ)が軽快に始まった瞬間、市川氏の演奏にお客さんは釘付けになっていました。
「ソロで弾こうと思ったきっかけがこの曲。こんなにステキなことができるんだと思った。」と語る市川氏。
その言葉通り加賀城氏特有のリズミカルかつダイナミックでメロディックな楽曲を見事なテクニックで弾きこなす姿が印象的でした。

2曲目は桐山秀樹作曲の「無伴奏マンドロンチェロ組曲」。バロック形式で6楽章の組曲。バロック形式ではあるけれど現代的な部分もありバラエティに富んだ楽曲。各楽章それぞれの個性と市川氏の個性とが織りなす音楽がとても心地良く響きわたり、時に異国感じ、時に懐かしい気持にもなりました。

続いて中崎智大作曲の「Cassiopeia Winds」。繊細なハーモニクスから始まり重音のトレモロへと続くコントラスト、激しいようですが重すぎず流れるメロディーは風が吹いてくるような気持ちの良さを感じました。
市川氏いわく、作曲者の中崎氏とはSNS上で出会ったのだそうです。そこで話しているうちに親しくなり今回の作曲へと話が進んだということでした。面白い!
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そして1部の後半2曲はピアノ奏者であり作曲家でもあるアンドウマユコ氏の演奏。2曲ともアンドウ氏のオリジナル作品。
「シチリアーノ」はマンドリン奏者宮武氏に頼まれて他の作曲家のシチリアーナの練習をしているときにふと思い浮かんだメロディーなのだそうです。「南米の音楽を編曲している時に平行して作った曲だから南米のリズムも入っています。」とアンドウ氏。心洗われる演奏で何度も聴きたいなぁと思いました。
2曲目の「ソノリティ♯1」は、いつもはコンセプトを決めて作曲しているけれど、コンセプトが無い状態で作ったらどんな感じになるのかな?という発想のもと作曲されたのだそうです。アンドウ氏らしい音楽で、終わり方も面白かった!
これからこのスタイルの曲も書いていくとのことでまた楽しみです。

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ワイン休憩をはさみ2部はアンドウマユコ作曲の「tomakomai,」でスタート。
2部3曲はマンドロンチェロとピアノのデュオ演奏で前半とはまた違った雰囲気で魅力的でした。ワイン休憩をはさんでることもあり会場の雰囲気もいっそう和やかに。お2人のお話も面白かったです。
私もアンドウ氏とは何度も共演の経験があるのでチェロとの融合をとても楽しみにしていました。期待を裏切らないパフォーマンスで終始楽しませていただきました。
アンドウ氏がもともとマンドリンクラブでチェロパートだったことも影響してか、よく市川氏の演奏を理解して演奏しているようにも聴こえました。
ピアソラ、グリークと情熱的な演奏が続きアンコール演奏へ。
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アンコール1曲目は市川氏自身の作曲「花火」。 J-POPのような軽やかな曲。とても馴染みやすく聴きやすいのですがたくさんのテクニック要素がつまっていて彼らしさが垣間見えました。またぜひ聴きたい1曲です。

2曲目はアンドウ氏の「ア・メ・ム・ボ」。12年前に初演されてから数々のバージョンが存在するこの曲。私も大好きな曲でアンドウ氏とのマンドリンとの二重奏バージョンやギターとの二重奏バージョンを改定初演させていただいたこともある思い入れの深い曲です。オリジナルはチェロが入っているので今回の演奏はオリジナルのメロディーの高さでの演奏となりました。このバージョンもいいなぁー。と聴き入りました。

普段なかなかライブで聴くことのできないマンドロンチェロ独奏とピアノとの二重奏。今回はソロやデュオ、古典からオリジナルまでと非常に様々なプログラムでとても楽しいひと時でした。
打ち上げも終始楽しい雰囲気でした。また東京で演奏される日を楽しみにしています。      (児嶋絢子 記)

●プログラム● -----------------------------------------------------------------

第69回話音倶楽部プログラム1  第69回話音倶楽部プログラム2

●プロフィール● -----------------------------------------------------------------

第69回話音倶楽部 市川敦嗣写真

★市川 敦嗣 (マンドチェリスト)
北海道函館市生まれ。中学生でギターを始め、高校時代のバンド活動を経て、
北海道大学チルコロマンドリニスティコ「アウロラ」でマンドロンチェロを始め、3年次に首席奏者をつとめた。
大学4年次の時に大阪国際マンドリンコンクールB部門(マンドラ・マンドロンチェロ・マンドリュート独奏部門)優勝。
現在は北海道内のマンドリンオーケストラ団体で首席奏者をつとめるかたわら、北海道内外で積極的にソロ演奏活動中。
ギタリストの吉住和倫氏に師事。マンドロンチェロの演奏は独学。

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★アンドウマユコ (ピアニスト、作曲家・編曲家)
群馬県前橋市出身。歌曲やマンドリン曲をはじめとして室内楽曲の作・編曲を手がけており、 親しみやすい作風には定評がある。
2011年、キーボードユニット「ダブルドリブル」名義としてCD「モノトーン」を発売。「類いまれな気持ちよい音楽」と各方面から絶賛される。
~ アンドウマユコ Official Website ~ <mashroomroom> : http://mashroomlady.music-tbox.com/top.html

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第69回話音倶楽部チラシ

第7回大阪国際マンドリンコンクール(2011年)B部門《マンドラ・マンドロンチェロ・マンドリュート独奏部門》で優勝した、
新進気鋭の市川敦嗣氏が話音倶楽部に登場です! マンドチェロの独奏をお楽しみください。