第71回話音倶楽部
2014年12月23日(火)
2014年12月23日(火祝) 午後4時開演
【出 演】
片岡道子、松下やよい、本田純子、児嶋絢子、都筑文子、岡村綾子、小林夏子 〈 マンドリン、マンドラ、ギター、ピアノ 〉
年末恒例の話音倶楽部スタッフによる演奏会。
いつもは落ち着いた大人のお客様が多いのですが、今日は小さなゲストがたくさん来ているので何だかドタドタ騒がしい様子です。
この小さいゲストたちが今回は大活躍するのですが、それは後半のお楽しみ。
まずは片岡、松下によるマンドリン二重奏から。ルクレールのソナタ3番。
実はこの曲は全部で6曲あって、毎年一曲づつ演奏しているのだとか。いつものように二人が会話をしているような饒舌な演奏でした。
続いて児嶋、片岡によるバロックマンドリンでの二重奏。1774年と1772 年に作られたヴィナッチャを使っての演奏です。
200年以上前に作られた楽器だということでも驚きなのに、1774年はなんと杉田玄白が「ターヘルアナトミア」を著した年だと聞いて、
お客様はさらにビックリ。現代の楽器よりずっと軽く繊細で、ピック代わりに鳥の羽根を使って演奏されたリッジェーリのソナタは、
柔らかく上品な音色で、いつまでも聴いていたい気持ちになります。
楽器を現代のヴィナッチャに持ち替え、本田、児嶋によるフォケッティのソナタへ。
一転してハリのあるキラキラした音色に響きは変わりましたが、バロックマンドリンを演奏していた余韻があったのか、しっとりとした演奏でした。
続いて本田、岡村によるマンドリンとギターの二重奏。
曲はマンドリンではお馴染みのジェルバッジオのソナタ。演奏前は「なかなか二人で合わせるタイミンがなかったけど何とかなるかな(笑)」
と言っていましたが、そんな不安は感じさせないような息の合った演奏でした。
前半、最後の曲は本田、片岡によるバーベラのマンドリン二重奏。
「片岡先生と二人で練習するのが楽しくてしかたなかった」ということでしたが、演奏中もずっとその楽しさが溢れていました。
さて、今年の5月になりますが、片岡マンドリン研究所のアンサンブルはドイツに演奏旅行に行ってまいりました。
途中、観光でホーエンツォレルン城に寄った際、城主であるプロイセン王子が作曲した弦楽四重奏を見つけました。
後半の一曲目はこの四重奏からのスタートです。
プロイセン王子はあのバッハと親交があり、そのスタイルは後の作曲家の規範になったくらい本格的だったそうです。
今回はマンドリンによる四重奏ですが、やはりヘンデルやバッハの宮廷音楽を思わせるような威風のある演奏でした。
続いては都筑、本田、片岡によるラグタイムのマンドリン三重奏です。
有名な「エンターティナー」はテレビや映画などで誰もが一度は耳にしているはず。
1800年代から1900年代にかけて黒人の間で流行したこのスタイルは、かならずシンコペーションが入るのが特徴で、リズミカルで楽しげな曲が多いです。
「シカモア」「ディッキーズラグ」「イージーウィナーズ」と続けて3曲の演奏でしたが、曲が進むにつれてスウィングしていく雰囲気がとても素敵でした。
後半最後は片岡、松下、小林によるトリオ「トレ・フィオリ」によるビートルズの演奏です。
いつもお世話になっている作曲家のアンドウマユコさんによる編曲で、
「オールマイラヴィング」「プリーズプリーズミー」の有名なナンバーのマンドリン演奏です。
さきほどのラグタイムのノリもあってかとてもスウィングした楽しい演奏でした。
「ビートルズは来年一年のテーマにしたい」とのことで、今後もいろいろな場面で聴くことが出来そうで楽しみです。
そしてアンコール。ここで、冒頭の紹介した小さなゲスト達の登場です。
そうたくん、しゅんたくん、ときろうくん、ゆずちゃん、そして話音倶楽部スタッフによる「はらぺこあおむし」のはじまりはじまり。
このために用意した大きな大きな「はらぺこあおむし」の絵本を小さな手でめくりながら、お客さんもみんなでコーラス。
そのまま絵本をカスタネットや鈴に持ち替えて「あわてんぼうのサンタクロース」「ジングルベル」へ。
この小さいゲストたちの心に、みんなで歌った思い出や、今日のマンドリンの響きが残っていてくれることを祈りながら、
今回の話音倶楽部は終了です。 ありがとうございました。 (石田 記)
●プログラム● -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
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~~ 出演者から ~~
■ 片岡道子
今年も最後の話音倶楽部をにぎやかに楽しく終わることができました。
いろいろな素晴らしい出会いを経験させていただき、12月のコンサートでは次々世代の子供たちにもマンドリンを身近に感じてもらうことができました。
いつも温かいお客様に囲まれて、会場は狭いながらも演奏者の方々には本格的な取り組みを聴かせていただき、それをすぐ目の前で聴ける、こんな贅沢な音楽会は貴重だと思っています。
ご協力くださいました皆様に心より感謝申し上げます。
そしてスタッフの皆さん、いつもありがとうございます。
また来年も、楽しい企画を考えていきますのでよろしくお願いいたします。
■ 松下やよい
今年も最後の話音倶楽部を無事終えることが出来ました。年末のお忙しい中お出掛け下さいましたお客様、ありがとうございました。
また、先生、一緒に演奏した仲間たち、お手伝いの皆さん、そのほかたくさんの方々にお世話になりました。
今年は後半、体調を崩して周りの人たちに迷惑や心配をかけてしまいました。
今回参加できたことは、当時を思うと夢のようです。これからは、体に気をつけながら少しでもながくマンドリンを弾いていたいと思っています。
今年も一年間、話音倶楽部を支えて下さいました先生方、そして沢山のお客様、みなさま本当にありがとうございました。
また来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
■ 本田純子
今年も1年間、マンドリンをはじめたくさんの素晴らしい音楽に触れさせていただきました。締めくくりの年末コンサートも無事に終了して、ほっとしています。
年末のご多忙中、お寒い中、お越しいただいたお客様、お手伝いの皆様、ありがとうございました。
わたしにとって今年で5年目となる演奏会は、久しぶりに片岡先生と二重奏をしていただいたり、児嶋さんとも二重奏ができたりと、少し新鮮でもありました。
そして、息の合ういつものメンバーで年に一度でも演奏できることを、とても幸せに思っています。
来年の話音倶楽部も、すでにいくつか計画が進んでいます。よりいっそう楽しいコンサートをお届けできるようスタッフとして努力するとともに、素敵な音楽をたくさん吸収して精進したいと思います!
どうぞよろしくお願い致します。
■ 児嶋絢子
2014年、話音倶楽部のスタッフに加えていただき、年末のコンサートの仲間にも入れていただきとても嬉し楽しかったです。ありがとうございました。
片岡先生との18世紀のマンドリンでの二重奏、とても感慨深かったです。ますますマンドリンが好きになるひとときでした。
また2015年もどうぞよろしくお願いいたします。
■ 都筑文子
2014年最後の話音倶楽部、たくさんのお客様にお越しいただき終えることができました。
今回は私にとって8年ぶりとなる話音倶楽部の舞台でした。
HPで過去の話音倶楽部の記録をめくってみたところ、最後に12月の演奏に参加したのは2006年の第39回話音倶楽部。
久しぶりの会に緊張しておりましたが、話音倶楽部の温かい雰囲気はなにも変わらず、その中で演奏する楽しさを再び味わうことができ、幸せでした。
このような場を与えていただけること本当に感謝しております。
年末ご多忙の中お越しくださいましたお客さま、そしてスタッフの皆さま、本当にありがとうございました。
今後とも話音倶楽部をよろしくお願いいたします。
■ 岡村綾子
2014年も最後の話音倶楽部が終了いたしました。
お越しくださったお客様、スタッフの皆様、ありがとうございました。
仕事と両立しつつ、この活動を少しずつでも長く続けられるよう、努力してまいります。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
■ 小林夏子
なかなか、お手伝いもできない私ですが、今年もこのメンバーで演奏させていただいたことに感謝しています。
ありがとうございました。
これから、少し新しいジャンルの曲にもチャレンジしたいと思ってます。
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今年も1年の締めくくり年内最後の話音倶楽部は 実行委員の演奏でお楽しみください!