第72回話音倶楽部
2015年3月21日(土)
2015年3月21日(土祝) 午後2時開演 ~ ソロなのにバンド。ソロなのにアンサンブル。~
【出 演】
石橋敬三(マンドリン)
春はもうすぐそこ!というような麗らかな気持ちのよいお天気の中、石橋敬三さんをゲストにお迎えした第72回話音倶楽部が開催されました。
コンサート(ライブと言った方が合っているかもしれません)開始前からお客さまと談笑され、たくさんの質問へ丁寧に受け答えされる敬三氏。
お部屋は和やかなムードに包まれました。
ニューヨークに住んでいたころの話、ストリートミュージシャンとしてパフォーマンスをしていたという話などで盛り上がり、
いよいよ「朝日ハノボル」で軽快にライブが始まりました。
今回「話音倶楽部」ということで曲目以外にもレジュメを用意してくださっていました。
いくつかの曲の要所要所を取り上げそれについての説明を細かく実演とともに見せてくださったのが非常に面白かったです。
「カルロの言葉」はトレモロスタッカートやアルペジオテクニックがたくさん使用されていて曲調も含めてイタリアらしくそしてかわいらしい曲でした。
一枚目のアルバムに収録されているそうです。
続いてアルテ国際コンクールの課題曲「deep obsession」。
こちらはレジュメを用いての説明もありました。夢で体験?見たモチーフを題材にしているそうです。
当時は(10年くらい前)いくつかのモチーフから音楽を連想させて曲をつくっていたそうです。(現在はメロディーラインからが多いそうです。)
「憑依された状態」という意味をもつこの曲。聴いている側もぐっと引き込まれて憑かれたような不思議な気分になりました。
「ダークスカイ」という別名もあるそうです。
今回個人的にとっても好きだった曲「グラスの中の月夜」。私も「弾いてみたいなぁ!」と思いました。
何とも言えないアンニュイな印象を受けたのは私だけでしょうか?失恋した後に聴いたら確実に泣いてしまいそうです。
弦を張り替えてチューニングが落ち着かない時に思い浮かんだ曲だそうです。
「フクロウの涙」でまた心がゆらゆらと揺れる気持ちになり、前半終了。
曲や作曲法について、自分自身についてなど、様々な話を盛り込んでの前半でした。
休憩中はワインとチーズも手伝ってお部屋全体が和やかになりました。
ワインをいただきほろ酔い気分になったところで後半スタート。
「雨の祈り」「羊飼いのうた」と続き
ここから最後3曲はアンプとエフェクターを使っての演奏。
それまで弾いていた楽器ではなく中にピックアップがしこんであるマンドリンで演奏します。
小さいアンプではありますが、アンプ、マンドリン2本を持っての一人での移動は「大変だろうなぁ?」と思いました。
「珊瑚の見上げた空」ではループエフェクターというものを使用し、演奏中に八小節単位のくぎりを録音しそれを一つのループと考えて再生し、
その上から新たなメロディーをかぶせて演奏するという面白いスタイルでお部屋がわぁっと明るくなりました。
何人かで演奏しているかのようにも聴こえ、一人でたくさん音を出しているようにも聴こえて、不思議なのですが心地良い時間でした。
「白いイルカ」ではイルカの鳴き声のような表現も面白かったです。
「サザナミガゼル」まで勢い良く波に乗ったような、それでいてゆったりと春を感じさせるような、終始和やかで気持ちのよいライブでした。
全ての曲、とりわけすごくハッピーに聴こえる曲(「白いイルカ」とか)の中に、
ハッピーなだけでなくどこか哀愁を感じ、心をぐぐぐっと押され突き動かされる瞬間がありました。その中にさらに敬三氏のストイックさも感じられました。
お客さまからはたくさんの質問が飛び交い、皆さま笑顔で、楽しんでくださっていることがよくわかりました。
打ち上げでもたくさんの興味深い話を聞かせてくださいました。
誠実に受け答えくださる姿がとても印象的な敬三氏。
「一歩でも、マンドリンの未来への足跡となれたら嬉しい。」と話してくださいました。
今後もたくさんライブ活動をしていく予定とのこと、楽しみにしております。 (児嶋絢子 記)
●プログラム● -----------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------------
マンドリン・プレイヤー Kzo Ishibashi
◇◆ http://kzo.me/ ◆◇
●プロフィール● -----------------------------------------------------------------
★ 石橋敬三 (Kzo Ishibashi)
和歌山県生まれ。
京都大学マンドリンオーケストラにてマンドリンと出逢う。
翌年の第18回日本マンドリン独奏コンクール第二位、
第1回大阪国際マンドリンコンクール演奏部門第二位、第2回大阪国際マンドリンコンクール作曲部門第二位(一位なし)などを受賞。
2011年、公開オーディションでニューヨーク市地下鉄演奏の公式ライセンス(MUNY)を取得するとともに、
CMSAアメリカマンドリン連盟のコンペティションで優勝。
ニューヨークのデザイナー、スーザン・チャンチオロのファッションショーにて2度にわたり音楽製作、ライブパフォーマンスを務める。
2013年に無伴奏アルバム「MOON RABBIT」をリリースし、全国17カ所を回るツアーで成功を収める。
大阪水都フェス2013、東京デザイナーズウィーク2013Music Street Live(亀田誠治氏のプロジェクト)など、様々な場で活動している。
------------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------------
独自の世界を展開するマンドリンプレイヤーKZO こと 石橋敬三さんが話音倶楽部に登場です。
~~ ソロなのにバンド。ソロなのにアンサンブル。~~
いったいどんな音楽を魅せてくれるでしょうか!