第105回話音倶楽部

2025年4月10日(木)


2025年2月22日(土) 午後3時開演 
 
【出 演】
ヴァンサン ベア ドゥモンデ(マンドリン)
西上 和子(ピアノ) 

  

 
本日の話音倶楽部は
Vincent Beer-Demander氏によるマンドリンと西上和子さんのピアノの共演。Vincent氏は2023年2月以来の2度目の来日です。

今回来日共演を予定していたアコーディオン奏者が体調不良のため来日できず、急遽ピアノ奏者の西上和子さんとの共演となりました。
Vincent氏と西上さんは合わせる時間も本当に少なかったのでは?と心配しましたが、そんな杞憂も吹き飛ばす、とてもすばらしい演奏でした。
私は今回の来日ツアーで2公演を聴きに行きましたが、公演数を重ねていくたびに、お二人の演奏のレベルが上がっていくことを感じました。

前回2023年の来日公演では、日本でもよく演奏されるマンドリンオリジナル曲の演奏が多かったのですが、
今回は世界初演の曲が2曲と、Vincent Beer-Demander氏自ら作曲した曲が多く披露され、
マンドリン演奏に対する新しい可能性を見ることができた話音倶楽部でした。
またVincent氏の使用楽器は、イスラエルマンドリン~Arik Kerman作のマンドラ~、ドイツマンドリン~URS Langenbacher作~
特に、イスラエルマンドリンは日本ではあまり使用されていないので、聴く機会があまりなくとても新鮮でした。

  

話音俱楽部は、Vincent氏による日本語での挨拶でスタート。

世界初演となる1曲目 Prélude :Lionel Ginoux(リオネル ジノークス)
イスラエルマンドラ~Arik Kerman作~を使用。
特殊奏法で絃をつまみ上げる、たたく、ピックを使わず弾く。曲調は異国を訪問しているような気分になるような曲。

Fuga in G BWV 1001 :J.S.Bach
このレポートに当日の音源を載せることができるのであれば、ぜひ載せたい!と思う程、とても勉強になるバッハのフーガ。
音の伸びや、間の取り方の勉強になりました。

Ave Maria :VBD
Vincent氏のアヴェ・マリアは、皆さんがご存じの曲とは異なり、祈りをささげているような印象。

Caviar
ヨーロッパの異国情緒漂う曲調。小学生の時の1週間の歌?のイメージな曲ですが、とても情熱的で曲の途中からどんどん早くなり、
ギターのようなカッティング奏法も。私自身2023年に訪れたフランス・マルセイユの街並みを思い出しました。

The Fox :VBD
一瞬 フランス映画に引きこまれたような感覚。日本にいながらシャンゼリゼ通りを歩いているような気持にさせてくれる一曲でした。

tiramisu :VBD
私が好きな一曲。スウィーツ~ティラミス~と曲名から甘い曲調を想像していましたが、実際は~おー!となる曲で、
楽譜が発売されていたら購入して、是非弾いてみたい!曲です。

Bached(バッシュト) :Alexandros Markeas(アレクサドロス マルケアス) ※世界初演
曲調の違う曲を自由に思うように弾きこなすVincent氏は演奏している時に表情にも変化があり、
私が彼のように曲調の違う曲を自由に思うように弾きこなすには、何が必要なのか?と考えさせられた曲です。

   

    

   

    

   

    

     

    

Notre Pere :VBD
スタートはとても静かな曲。でもその中には感情が詰め込まれている。
オクターブのスケールの練習や、P(ピアノ)や それ以下の小さい音量の演奏する時の練習にもなる一曲です。

Bossa :VBD
多国籍の音楽を弾きこなせるVincent氏は本当にすごい!!
音楽の引き出しが本当に多い。とても勉強になりました。

Caramba :VBD
曲の冒頭からアップテンポで裏打ちの曲。エレキギターを弾いているのでは?思うような演奏。
マンドリンのカッティングもですが、重音の多さもVincent氏らしい曲。

    

   

    

そしてアンコール曲は
Tombe la neige (トンブラネージュ 雪が降る) 哀愁漂う場面からのスタート。
そして弾き語り。~ゆきは降る~と日本語で歌うVincent氏。今までとは違った彼の一面を見ることができるアンコール曲でした。

片岡先生よりご挨拶 ~ご来場者の人数にピッタリの音楽でした!~
この場にいた皆さま全員が、とても素敵な有意義な時間を過ごせたと思います。

ピアノ伴奏をされた西上和子さん。
自由に演奏するVincent氏を引き立たせる自在な弾きぶりながら、安定感もあり、またぜひ聴きたいです!

今回の来日公演で演奏された曲は私自身も弾いてみたいと思う曲がいくつかありましたが、
残念ながら楽譜はまだ販売されておらず、今後出版されることを願っております。     (小島寿摩子 記)

  

  
 
 
●プログラム● -----------------------------------------------------------------

1part
1 Prélude  ・・・Lionel Ginoux (リオネル ジノークス) ※世界初演
2 Fuga in G  BWV 1001  ・・・J.S.Bach
3 Ave Maria  ・・・VBD
4 Caviar
5 Fiadone
6 once upon a time in the west  ・・・モリコーネ
7 The Fox  ・・・VBD
8 tiramisu  ・・・VBD
9 Bached(バッシュト)  ・・・Alexandros Markeas (アレクサドロス マルケアス) ※世界初演

2part (DUO)
1 Fuga in A  BWV 1003  ・・・J.S.Bach
2 Notre Pere  ・・・VBD
3 Ricard Valse  ・・・VBD
4 Bossa  ・・・VBD
5 Caramba  ・・・VBD      ◎ 当日、演奏順の変更がありました ◎

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●プロフィール● ---------------------------------------------------------------------------------------------
 
Vincent Beer-Demander (ヴァンサン ベア ドゥモンデ)

マンドリン奏者。作曲家。指揮者。
国際的マンドリン奏者として Vladimir Cosma、Laro Schifrin、Claude Bolling、Richard Galliano、Jean-claude Vannier、Hamilton de Holanda 他、多くの著名なミュージシャンと共演及び楽曲の提供を受けている。
フランス国立音楽院、ベルギー音楽院にて音楽教育にも携わり、特筆すべきはマルセイユでのマンドリンフェスティバル主催により多くの貧しい子供達に情操教育を積極的に行なっていることである。
各国の出版社、レーベルより多数の楽譜、アルバムをリリースしている。
彼の当面の目標は新しいマンドリン音楽の確立であり、そのために寝る間を惜しんで世界中を飛び廻る多忙な生活を送っている。
 
西上 和子 (Kazuko Nishiue)

奈良県出身。幼少の頃からピアノに親しみ、自作自演を遊びに日々過ごす。
天理中学、天理高校卒業。吹奏楽部でクラリネットと出会い、管楽器の楽しさを知る。その後上京、東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。
現在は、幅広いジャンルの作曲編曲活動、楽譜出版、CDプロデュース、ピアノ演奏はクラシックからバンド演奏まで
多岐にわたり活躍している。
 
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フレンチ・マンドリンの鬼才 ヴァンサン ベア ドゥモンデ氏 2年ぶりに話音倶楽部に登場です!
共演予定だったアコーディオン奏者 グレゴリー ダルタン氏がインフルエンザのため来日できなくなりましたので、
プログラムを変更し、ヴァンサン氏の無伴奏ソロ曲、そして西上和子さんのピアノとの共演で、話音倶楽部をおおくりします。
アコーディオン奏者 グレゴリー ダルタン氏 との息が合った演奏をお楽しみください。
 
 
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グレゴリー ダルタン(アコーディオン) ※ インフルエンザのため来日できなくなりました
 
Grégory Daltin (グレゴリー ダルタン)
 
アコーディオン、バンドネオン奏者。
多くのメジャーアーティストとの共演やトゥールーズの国立音楽院での教授活動など幅広く活躍。自身の Daltin Trio はジャンルの垣根を越えた素晴らしい演奏が特徴的。
また、今回の Duo Cinésonance では Vincent との息のあった緊張感溢れる映画音楽をモチーフにした演奏が聴きどころである。