第70回話音倶楽部

2014年10月5日(日)


2014年10月5日(日) 午後2時開演 
 
【出 演】
廣澤麻美(チェンバロ)

                70waon-hirosawa

話音倶楽部コンサート第70回の今回は、チェンバロ奏者の廣澤麻美先生をお迎えしました。

本日は台風18号接近中…。雨の中、研究所にチェンバロが搬入されてきました!
いつもの研究所が、華やかな空間に大変身です。

搬入されたのが午前9時。
それから久保田チェンバロ工房の楽器製作家である久保田みずきさんにより、楽器の調整調律が始まりました。台風による雨で湿気の多いこの日、とてもご苦労されておられました。
11時に廣澤先生が見えられリハーサル。その後もう一度、楽器の調整調律を久保田みずきさんがされました。

 
★☆★ 運び込み 組立 -----------------------------------------------------------

70waon-1 70waon-2 70waon-3

70waon-4 70waon-5 70waon-6

70waon-7 70waon-8 70waon-9

70waon-10 70waon-11

70waon-12 70waon-13 70waon-14

★☆★ 調整・調律 -----------------------------------------------------------

70waon-15 70waon-16

★☆★ リハーサル -----------------------------------------------------------

  70waon-18   70waon-17

★☆★ 調整・調律 -----------------------------------------------------------

70waon-19 70waon-20

 
★☆★ 本番 -----------------------------------------------------------

いよいよ午後2時から演奏会がはじまりました。

「こういった(アットホームな)場所で演奏することは珍しいのですが、広さも、人数もチェンバロの演奏にピッタリです」
「今日はぜひ、貴族になった気分でお聴き下さい」 とおっしゃる廣澤先生でした。

70waon-21 70waon-22 70waon-23

曲にまつわるエピソードや楽器そのものについて、私たちにもわかりやすいお話をはさみながら、演奏が始まりました。

チェンバロがそこにあるだけでも華やかなのに、音色が聴こえだすとさらに絢爛豪華な空間に変貌していきます。
演奏者もお客様も最初は緊張してピンと張りつめていましたが、その音楽を聴くうちに、会場がすっかり17世紀ヨーロッパ風の空気になって行きました。

70waon-24 70waon-25

 
緊張が解けてきたところでワインサービスの時間となりました。
休憩中にも久保田みずきさんが楽器の調整をされました。 本日演奏されたチェンバロは、みずきさんのお父上 久保田彰氏 製作のものです。

70waon-60 70waon-61

 
会場にワインの香りが漂い、さらに貴族な気分が高まったところで、後半プログラムの開始です。
各国・各時代からの選曲で、初めて聞く者にもわかりやすく、とても贅沢な時間が流れていきました。

70waon-26 70waon-27 70waon-28

最後の曲として、日本の作曲家である田中カレンさんの「香草の庭(1989)」が演奏されました。
新しい感覚とチェンバロの音色がこれからのチェンバロ音楽の道を感じさせてくれます。

70waon-29 70waon-30

アンコールには、廣澤先生がオーストリアのベートーヴェンゆかりの地で見つけた楽譜を演奏して下さいました。
とてもかわいい、ベートーヴェンの人柄を感じさせる素敵な曲に、聴いている皆さんが笑顔になりました。

 
●プログラム● -----------------------------------------------------------------
70waon Program170waon Program2
 
------------------------------------------------------------------------------

     第70回話音倶楽部-廣澤麻美写真2

**A線上のアリア** チェンバロ奏者 廣澤麻美 公式ブログ Asami Hirosawas Blog

 ●プロフィール● -----------------------------------------------------------------
 
★ 廣澤 麻美 (ひろさわ あさみ)
東京都出身。3歳よりピアノを学び、東京都立芸術高校音楽科を経て武蔵野音楽大学(ピアノ専攻)卒業。その後、東京芸術大学音楽学部卒業および同大学院修士課程(チェンバロ専攻)修了。その間、ピアノを関根由喜江、リディア・コズベック、ジュラ・キシュ、チェンバロを山田貢、鈴木雅明、オルガンを池田 泉、通奏低音奏法を多田逸郎の各氏に師事。1991年より2年間、DAAD(ドイツ学術交流会)給費留学生としてドイツ、ヴュルツブルク音楽大学に留学し、チェンバロ、ハンマーフリューゲルおよびクラヴィコードをグレン・ウィルソン、通奏低音奏法をイェスパー・クリステンセンに師事、マイスターディプロム(国家演奏家資格)を取得。他にヨハン・ゾンライトナー、ボブ・ファン・アスペレン、ラルス・ウルリク・モルテンセン(以上チェンバロ)、オディール・バイユ(オルガン)の指導も受ける。また、2003年文化庁派遣芸術家在外研修員として、ハンブルクにてヴォルフガング・ツェラーにオルガンを師事。
東京芸術大学にて安宅賞受賞。1989年第3回古楽コンクール第3位(第1位なし)。1992年、95年ブリュージュ国際チェンバロコンクール、および93年ワルシャワ国際チェンバロコンクールにてディプロムを授与される。93年ヴュルツブルク市音楽協会コンクール第1位、94年「プラハの春」国際音楽コンクール・チェンバロ部門第3位、96年ヨハン・ハインリッヒ・シュメルツァー国際古楽コンクール(オーストリア)第3位 にそれぞれ入賞 。
日本をはじめドイツやオランダなどで、コンサート、CD録音、放送などの活動を行い、1995年からは全ドイツ青少年音楽コンクール(Jugend musiziert)の審査員も毎年勤めた。  
1994年よりヴュルツブルク音楽大学古楽科講師を勤めた後、1998年に帰国、現在東京芸術大学音楽学部講師。日本基督教団阿佐ヶ谷教会オルガニスト。
1998年にスウェーデンのBIS社より、ソロCD「クープラン一族のチェンバロ音楽」(BIS-CD-982)をリリース。チェンバロ、オルガンを中心としたソロ活動の他、通奏低音奏者として数々のアンサンブルや、NHK交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京都交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団などにもたびたび客演。また「バッハ・コレギウム・ジャパン」の定期演奏会や第1回イスラエルツァーなどにも参加。
最近では、ダンスカンパニー「コンドルズ」の石渕聡氏とユニットを結成しロックとオリジナル作品を中心としたマンドリンとチェンバロによるユニークなライブシリーズを行ったり、同カンパニー主催の振付家・ダンサーの近藤良平氏とのコラボレーションなど、ジャンルを超えたパフォーマンスを目指してあらゆる場面で活動中。

------------------------------------------------------------------------------

70waon-31 70waon-32 70waon-33 70waon-31

 
打ち上げは、久保田工房さんのご厚意でチェンバロを傍らに置いたままおこなわれました。
どうしても楽器が気になる私たちは、ついつい廣澤先生、久保田みずきさんを質問責めにしてしまったかもしれません。
快く、時には実演をしながら、たくさんの興味深いお話をしてくださってありがとうございました。

70waon-35 70waon-36

楽しい時間はあっという間に過ぎ、チェンバロの搬出作業になりました。
梱包~搬出までを見守り、第70回話音倶楽部が無事終わりました。
日頃チェンバロという楽器をこんなに間近で、じっくりと見て聴く機会(しかも演奏家&製作家の解説付き)は、ほとんどありません。
初めてのチェンバロの世界は、とても豊かで贅沢な時間でした。

廣澤麻美先生、久保田みずき様、素敵な一日をありがとうございました。
またこの “チェンバロにピッタリ” の場所で、再会できることを心待ちにしております。    (岡村 記)

 
★☆★ 解体 運び出し -----------------------------------------------------------

70waon-37 70waon-38 70waon-39

70waon-40 70waon-41 70waon-42

70waon-43 70waon-44 70waon-45

70waon-46 70waon-47

70waon-48 70waon-49 70waon-50

 
------------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------------

第70回話音倶楽部チラシ
 
チェンバロ、オルガンを中心としたソロ活動の他、通奏低音奏者として数々のアンサンブルやオーケストラに客演。
またジャンルを超えた様々なパフォーマンスでもご活躍の、チェンバロ奏者 廣澤麻美さんをお招きします。
研究所に響くチェンバロの音色をお楽しみください!