第102回話音倶楽部
2023年2月21日(火)
2023年2月15日(水) 午後2時開演
【出 演】
ヴァンサン・ベア・ドゥモンデ(マンドリン)
建 孝三(ギター)
2019年12月21日の第94回話音倶楽部開催(有観客)から数か月後、新型コロナウイルスによるパンデミック。
その後予定していたコンサートは中止延期となり、2020年12月から2023年2月5日までは配信ライブで実施しておりました。
そして102回の今日は久しぶりのリアル開催、お客様ご来場のもと無事開催することができました。
第Ⅰ部はヴァンサン氏ご自身が作曲された3曲をマンドリン独奏で。
2曲目に演奏された ~Samurai
日本をイメージして作曲されており、琴のような調べから始まり、
じょんがらを思わせるような音色に、
思わず吸い込まれるように聴き入っていました。
3曲目 ~Bestiaire
動物の行動が表現されており、演奏を聴いてその動物を当てるクイズ方式な曲。
登場した動物の一部ですが パンダ、ラクダ、カンガルー etc.
それぞれの動物たちが棲む国や動物の動きなどが表現されていて、
子供たちにも楽しめるように構成されています。
第Ⅱ部は建孝三氏によるギター独奏。
演奏の前、片岡先生から「話音倶楽部の名のように、演奏だけでなくお話もお願いね」とのお声がけがあり、
建氏からは、新型コロナのパンデミックにより演奏会が3年延期になり、ようやくヴァンサン氏の来日が叶い今回の演奏が実現しました、などのお話がありました。
1曲目 ~禁じられた遊び
私自身プロの方の演奏で一回も聴いたことが無く、
建氏の左右指の動きや響きの工夫等、随所に聴き所があり
新たな発見がありました。
2曲目 ~カタロニア民謡より アメリアの遺言&盗賊の歌
中世のヨーロッパが思い浮かぶような曲でした。
「アメリアの遺言」は、アメリア姫が継母に毒をもられ、、、
という悲しいストーリーの曲。
「盗賊の歌」は、悪い人達からお金等を取り戻し貧しい人々に
分け与える、、、という、助け合いを思い浮かべるような曲でした。
ここで休憩。お客様に飲み物が出て一段と和気藹々に。
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歌ったり、ピックをくわえたり、パフォーマスンスいろいろ・・・
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第Ⅲ部はお二人による二重奏。
どの曲もとても楽しく
~あれ?ここはライブハウス?~
なノリノリ感。
3曲目 ~スペイン風奇想曲
マンドリン独奏曲を勉強される多くの方が一度は練習する曲ではないでしょうか?
建氏の伴奏はフラメンコ調のギターの調べがとても情熱的で、情景がありありと思い描け、ヴァンサン氏のマンドリンはノリノリで、聴いている私たちも思わず身体でリズムをとっていました。
4曲目 ~ナポリ
建氏のお話では、3年前に楽譜が届きましたが音が多く難しい???と思われたとのこと。事前にマンドリニストの桝川千明氏に合わせをお願いし練習したところ、思っていたよりテンポが速くビックリされたそうです。
曲中のヴァンサン氏によるアドリブが独特でとても楽しませていただきました。
演奏が終わるとアンコールの拍手!
シシリアの思い出、モンティのチャルダッシュ、花は咲く、と3曲もの演奏で応えてくださいました。
どの曲も言葉では表せないくらいの素晴らしさ!
「シシリアの思い出」は、本当に情景が豊かな演奏。
「チャルダッシュ」
モンティ作曲の「チャルダッシュ」は現在ではヴァイオリンでの演奏が有名です。が、
実はマンドリン奏者ファンタッチ(イタリアのちにフランスへ。1872年生誕~1941年没)へ献呈された曲で、
1903年にフランス・パリのホールでファンタッチによるマンドリン演奏にて初演されました。
そのようないきさつもあり、フランス人マンドリン奏者のヴァンサン氏にとって、とても光栄な曲であり、
マンドリンで演奏できる喜びに満ちている、と聞いている側にも伝わる演奏でした。
「花は咲く」
この曲は東日本大震災プロジェクトのために書かれた曲で、私自身もこの曲を聴くとあの大震災をいつも思い出します。
「花は咲く」に関して、
片岡先生からのお話もありました。
東日本大震災後、多くの国や地域、日本国内の多くの方からお見舞いのご連絡が入ったそうです。
その後、片岡先生自らお礼をお伝えするため渡欧。
ドイツを訪れた時、当時ご健在だった越智先生が~世界中の方が元気になりますように~との思いを込め演奏されたという、とても思い入れのある曲。
片岡先生も言葉を詰まらせながら話してくださいました。
終演後は短い時間でしたが懇談の場が設けられ、
建、ヴァンサン両氏のCDや楽譜の販売、サイン会。
ご来場の方々、片岡マンドリン研究所のスタッフにとっても、とても有意義な時間となりました。
新型コロナウイルスパンデミックが少しずつ落ち着き、
このたび3年ぶりにお客様をお迎えしての話音俱楽部を開催できましたこと、
何よりの宝物となりました。ありがとうございました。 (小島寿摩子 記)
おまけ(この日の午前中) ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
見えたとたんに「アヤコ!一緒に弾こう!」と弾き始めました!
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その後マスタークラスlessonもしてくださって、小島寿摩子さんがカラーチェの第二コンチェルトで受けました。
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●プログラム● -----------------------------------------------------------------
第Ⅰ部 ヴァンサン・ベア・ドゥモンデ マンドリン独奏
セレナータ
Samurai
Bestiaire
<3曲ともヴァンサン・ベア・ドゥモンデ作曲>
第Ⅱ部 建 孝三 ギター独奏
禁じられた遊び
2つのカタロニア民謡より
アメリアの遺言
盗賊の歌
歌と踊り ・・・A. ルイス=ピポー
第Ⅲ部 マンドリン・ギター二重奏
ソナタ ニ短調 k.89 ・・・D. スカルラッティ
エレジー ・・・R. カラーチェ
スペイン風奇想曲 ・・・C. ムニエル
ナポリ ・・・E. メッツァカーポ
アンコール
シシリアの思い出 ・・・S. レオナルディ
チャルダッシュ ・・・V. モンティ
花は咲く(東日本大震災プロジェクト) ・・・菅野よう子
●プロフィール● ---------------------------------------------------------------------------------------------
Vincent Beer-Demander (ヴァンサン・ベア・ドゥモンデ)
フランス人、ヴァンサン・ベア・ドゥモンデはフランスとイタリアの権威あるコンセルヴァトワールから多くの賞を受賞し、
パリのエコール・ノルマル音楽院から「コンサートパフォーマー」の称号を与えられた唯一のマンドリン奏者である。
多くの著名なミュージシャンと共演し、クロード・ボリングやウラジミール・コスマなどから曲の提供も受けている。
また、彼は膨大な数の作品を作曲し、各国の出版社から販売されている。
マルセイユ音楽院の教授として後進の育成にも尽力している。
建 孝三 (Tate Kozo)
(公社)日本ギター連盟主催第18回東京国際ギターコンクールにおいて優勝し、合わせて文部大臣賞、スペイン大使杯を受賞する。
フランス・パリにて A.ポンセ氏に師事、また、J.トーマス、O.ギリア、J.L.ロドリーゴ、B.ベニーテス、N.イエペス各氏らの指導も受ける。
数々の初演、委嘱を受け国内外において多くのリサイタルを開催。近年ではチェコの作曲家、兼ギタリストのイジー・イルマル氏の招聘によりプラハでリサイタルを行ったり、ベトナム・ホーチミンの「サイゴン国際ギターフェスティバル」にてコンクール審査員を務める。
南米ツアーを経て、2022年11月にはベトナム・ハノイでの「Sakurai Kohno Festival」に招待された。
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話音倶楽部久しぶりのリアル開催は
フランス人のマンドリニスト ヴァンサン・ベア・ドゥモンデ氏をお招きします。建孝三氏のギターとの共演をお楽しみください。