「盗まれたテンポ」と言う意味、簡単に「ルバート」と言われている事が多い。
全体的なテンポは一定に保ったまま、内部の1つ1つの音を伸び縮みさせる方法。
したがって全体的なテンポを変化させる[rit.][accell.]等とは異なる。
バロック時代から用いられていたルバートを表現技術として有名にしたのは、やっぱり
ショパンですよね。マズルカやワルツを良く聴くとわかるよ!
これが自由にやっているようで決してそうではなく、ルバートがかかればかかるほど、元の
テンポがはっきり見えてくるように思うのです。
(2004年 4月20日の日記より)
長・短調での主音、属音(v度)、下属音(iv度)の3つの主要音度、およびこのそれぞれを根音
として3度を三つ重ねた主和音、属和音、下属和音の三和音をさす。これらは主音を中心にサブドミナントは
5度下、ドミナントは5度上という、5度近親関係を形成する。
ハ長調だとドの5度下ということはファでしょう? だからファ・ラ・ドで下属和音・サブドミナント
5度上ということはソだからソ・シ・レということで属和音・ドミナントになるのよね。
私の小学校の頃は、この和音でお辞儀をしていました。じゃーん、じゃーーん、ジャ‐ン、とピアノにあわせて
気を付け!オジギ!気を付け! 「気を付け、礼」なんて今は言わないでしょう?
今は何て言うのかしらね。
(2004年 4月 7日の日記より)
代表的な装飾音符の1種で主要音とその二度上の補助音とを急速に交代に弾くもので、旋律を流麗にしたり、リズムや音の流れに変化をつける。
tr.〜〜〜〜〜、等の記号で表されている。たとえばドのトリルがドレドレドレドレ・・・・・
あるいはレドレドレドレド・・・・・・となる。回数やタイミングは奏者にまかされている。
ある本にこんな事がかいてありました。
トリルとはブラウスのフリルのようなもので、いわば音楽の飾りであるけれども、だからと言って馬鹿にしてはいけない。
どんな上等のブラウスでもフリルがきれいでなかったら台無しでしょう?
その反対にフリルがきれいで、美しければ全体が上等と相場がきまっていますよね。
と言うわけでトリルのもつ意味は非常に大きいのです。
トルルは「音の震え」だから、それだけで人の心に鳥肌を立たせることが出来るんだって。
マンドリンのトレモロは、それだけでも震えているのだけど、これにトリルが加われば震えてばかりになりますね。
今度は我々は逆に、澄んだ一本のなが〜〜い音を出すことが大変です。
トリルの練習は「いい加減」にやらないで、1と2、2と3、3と4の指を交互に、きちんとダウン、アップのストロークにあわせて練習してください。途中でひっくり返らないようにね。
タブ譜ともいう。5線譜ではなく文字や数字を使って音符を書き表す方法。ヨーロッパ全域で
古くから器楽奏者に用いられてきました。バロックギターの竹内さんもおっしゃっていましたが、
とても奥深い解釈があるそうです。5線譜による記譜法が発達するにしたがってあまり使われ
なくなったが、現在、ポピュラー音楽の間で使われている。ギターのタブ譜は6本の線に弦と
押さえるフレットを示す方法が一般的となっている。
こんな風に説明されていますが、私も和音はタブ譜として頭にいれる、暗譜する時もある部分
はタブ譜の発想で憶える方が簡単なのです。これで指を動かして行くと、音符とは違って、音の
巾や動きがはっきり見えて来る事があります。
(2004年 5月31日の日記より)
調性感覚を持たないものを一般的に「無調」と呼び、その無調に秩序をもたらすべくシェーンベルク
によって創始された「オクターブの12の音の音程関係のみに依存する作曲技法」でかかれた音楽を
俗に十二音主義音楽と呼ぶ。
調性というのは、私達が日頃弾いている音楽だけど、作曲するのにいろんな制約があるわけです。
平行5度はご法度、和声の進行も転調も属音関係に限るとか・・・・
それを、不自由なる束縛と感じて、「え〜〜い!全部拒否・・・」となったのが無調の発想。
あまりに滅茶苦茶になると混乱して旧きを壊しただけ、では困るので「十ニ音主義」が出てきて
チョッピリ規律を保っていながら自由に音楽することができるようにしたんだって。
(2004年 5月19日の日記より)
できるだけ第3者の介入を排して作曲者の意図に忠実に編集された出版楽譜。
20世紀になって「作品に忠実に」が声だかに叫ばれるようになってから、急速に発展した。
自筆楽譜そのままと言うことは殆どありえず、校訂者の手で隅々まで検討されているのが
多く、その人の解釈が加えられる事が多い。
今度7月に演奏するムニエルの四重奏曲も中野先生からニ長調のムニエル自筆譜のコピーを
頂き、それからいろいろ検討しているのですが、とても面白いです。楽章の順番もピース版
とは違うのです。「面白いから是非研究してみてください。」といわれて中野先生から頂いた
楽譜大切にして勉強したいと思っています。
(2004年 5月17日の日記より)
主題や音型を、もとの形を変えずに、旋律装飾、和声の変化、リズムや音色の変化などで様々に変化させる事。
「主題と変奏」の他、パッサカリアやシャコンヌなども変相を主体とした楽曲名です。
変奏の反対はきっと発展だよね、という事は変奏曲の反対はソナタですね。1つの主題を変形させて時間を稼ぐのが発展。外見は変えても同じものを繰り返すのが変奏ですね。
ヴァンサン・ダンディというひとが曰く「変奏とは絶えざる言いなおしである」。
こんな風に説明すると、新しいメロディーが浮かばないから、不精しているみたいに聞こえるけど、音楽もドラマティックに盛り上がるものもあれば、
ゆっくりと次に来るメロディーが分かっていて、同じ事が何度も通りすぎるのを、心静かに聞いている安心の幸せもありますよね。
一見同じ事の繰り返しに見えるけれど、これを全体を通して1つの曲の流れを掴んで演奏するのが大変なことなのよ。
聞いている人にちゃんと物語れるようにね・・・
(2004年 5月10日の日記より)
「ふるえる」という意味、音や声を美しく響かせるために用いる。
弦楽器では、押さえている左の指をゆすり、音程に幅を作る事でつややかな音になる。
マンドリンでは、微妙な音だけど、余韻を出来るだけ効果的に使うために、ヴィブラートを研究すると良いです。
かけ方次第で、素晴らしい効果が得られるので、いくら研究してもしすぎる事はないですよ。
弦を「縦に押したり、引いたり」「横にゆすってみたり」「深く押さえてみたり」いろいろ試してみてください。
トレモロは、もともとヴィブラートがかかっている感じですね。
昨日も書いたけど、反対に、一本の線に聞こえるようなトレモロ、これが大変なのよ。
(2004年 4月27日の日記より)
現存する殆どの演奏会場がこの二つに大別できる。
ワインヤード型とは、席が舞台を取り巻く様子が段々になったぶどう畑に似ているから。
シューボックス型は靴の箱のような長方形であることから命名された。
日本ではサントリーホールがワインヤードの代表、秋に私達が使う白寿ホールが
シューボックス型ですね。
シューボックス型は大きなホールになると後ろの席ではステージが見にくくなるし
音は良く溶け合うものの明瞭さにかけてしまう。残響が豊富すぎて大編成には向かない。
この欠点を補って大勢の客に楽しんでもらえるのが、ワインヤード型なんだけど
音響の点で伝統的なシューボックスの名ホールにより勝る所はまだ無いそうです。
今日はちょっと音楽に直接関係無かったですね。でも面白いでしょう?
ワインヤード型は第ニ次世界大戦後、できるだけ沢山のお客様に、どの席でも音が良く、
聴いてもらえるように試されるようになったのだそうですよ。
(2004年 5月18日の日記より)
音階の第4音、第7音が使われない5音音階のことです。日本の民謡や演歌、歌謡曲などに多く見られます。
ド、レ、ミ、ソ、ラ、ド、と言うわけです。この五つの音を適当に弾いてみてください。
でたらめ弾いても、「ウッ!!なんか聴いたような、懐かしいような、歌ったことあるような・・・」気がしますよ。
(2004年 5月21日の日記より)