片岡マンドリン研究所
日記

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2009年10月26日  寒いです!

突然真冬になりました。
レッスンしていて、冷え症の私は手がかじかんで冷た~~くなって指が動かないのです。ついにヒーターつけました。(ついこの間まで冷房していたのに)全く中間がないのだから・・・・・
そして台風も来ています。
今晩は風も強くなるようだからまた準備しなくっちゃいけないですね。
明日はまたまた温かさが戻るらしいし・・・

プロ野球も巨人と日ハムに決まったし、アメリカメジャーリーグもヤンキースとフィリーズに決まったし、今週末で10月も終わりだし、ドンドン今年の締めくくりに近づいてきています。なんだか忙しないな~~!

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鈴木兼三君と森翔一郎君がオットワイラーでの講習会の様子をレポートしてくれました。今月のマンドリン連盟誌に載っています。
文章だけ載せておきます。


「オットワイラー・ギター&マンドリンセミナー」、「交流コンサート」参加レポート

鈴木兼三・森翔一朗(片岡マンドリン研究所・慶應義塾マンドリンクラブ所属)

 この度、私たちは2009年8月にドイツ・ザール州マンドリン連盟の主催で行われた「ギター&マンドリンセミナー」並びに現地のマンドリン・オーケストラとの「交流コンサート」に参加して参りました。
今回の講習会並びにコンサートには、片岡マンドリン研究所メンバー10名(マンドリン8名、ギター2名)、片岡先生を含め、総勢12名が参加しました。講習会が8月1日より行われるということで、私たちは前日の7月31日に成田を出発し、フランクフルト空港にてドイツ在住の越智敬先生、講習会に一緒に参加するベネズエラからの参加者4名と合流、皆揃ってバスに乗り込み、オットワイラーにある講習会場「ランデスアカデミー」へ向かいました。現地の天候は晴れ、空気もカラッとしていて日本とは環境が大きく異なります。この湿度の違いは、ドイツ滞在中を通して楽器のコンディション(特に音の響き方)に大きな影響を与えているように感じました。ランデスアカデミーに到着するとSteffen Trekel先生と現在ドイツ・ハンブルクにて勉強中の児嶋絢子さんが出迎えてくださり、最初で最後の静かな夜を過ごしました。翌1日の午後よりいよいよ講習会が始まります。現地の青少年たちも続々と集まり、総勢50名弱のメンバーがみな一同に会したところで開講式が行われ、その後全員で基礎練習を行いました。この日は個人レッスンが1人あたり15分だけ行われましたが、基本的にイントロダクションが中心であったため、皆翌日からのレッスンに向けて自主練習をしていました。
2日からは毎日以下のようなスケジュールで練習を行いました。
  8:00 朝食             12:30 昼食             17:15 オーケストラ
  8:45 基礎練習          14:00~ 個人レッスン       18:00 夕食
  9:30~ 個人レッスン       15:00 おやつ時間         19:30 オーケストラ
                      15:30 個人レッスン       21:00 ステューデントコンサート
個人レッスンは1人あたり30分、マンドリンはJuan Carlos Munoz先生とSteffen Trekel先生に3日ずつ交代で見てもらい、ギターはStefan Jenzer先生とJoel Betton先生に見て頂きました。また、今回の講習会では指揮法の授業と音楽理論の授業、さらに室内楽のレッスンを受講することができ、有志メンバーがそれぞれ初級・中級・上級に分かれた指揮法の授業や室内楽レッスンを、個人レッスンの合間に受講しました。こうした過密スケジュールの中で、各自空き時間を見つけてはアンサンブルやソロの練習を行い、宿舎の中は朝から晩までいろいろな楽器の音が鳴り響いていました。
マンドリンの個人レッスンでは、「ピックの使い方・ピッキングのテクニック」が一つのテーマでした。ドイツで一般的に使われているナイロンのピックは、日本でよく使用されている鼈甲のピックの2倍ほど厚みがあり、音色も、弾いたときの手ごたえも全く異なりますが、先生方はこのピックを見事に使いこなし、多種多様な音色の作り方・表現の仕方を私たちに説明して下さりました。普段、ちょっとした演奏の時にないがしろにしてしまいがちなピッキングに気を配るだけで、演奏が一回りも二回りも違ったものになるということを皆強く感じたようで、これは大きな収穫となりました。
レッスンはどれもドイツ語で行われますが、私たちには英語で行われます。今回の参加メンバーには、語学に長けている人もそうでない人もいましたが、言葉が自由に通じない分、相手の伝えようとしていることを表情や動作から感覚的に理解するということが、(特に表現者として)とても大事だということを実感しました。

ギターの基礎練習の時間では、各指が独立して動かせるようにする運動やヨガを取り入れた脱力の運動など、ギターを弾くにあたって大切なことを学びました。その後はギターを使い、各指が独立した上で右手と左手を連動させる練習をしました。個人レッスンの時間には、自分が用意した曲をテキストにしてアドバイスを頂きました。特にきれいな音の出し方をとても注意された覚えがあります。

オーケストラの練習では、バッハのChoralやPreludiumといった楽曲を扱って、和声の進行を意識した曲作りを学んだほか、指導してくださったOliver Kalberer先生の作品「Balloon」が取り上げられ、各パートが複雑な16分音符で絡み合うアンサンブルや、複合リズムを用いた楽曲(2拍子の基本フレーズを基軸にして、各パートが5拍子、7拍子、9拍子などの変拍子フレーズをかぶせ、曲中に複数のリズムパターンが混在するというもの)に挑戦しました。

毎晩開催されるスチューデントコンサートでは、個人レッスンやアンサンブルレッスンで先生にGOサインをもらった生徒たちが、ソロやアンサンブルを披露します。初めは皆恥ずかしがってなかなか出てこないのですが、日を追うごとに出演者も増え、講習会6日目の最後の夜には、3時間以上の長丁場になるほど、多くの生徒が演奏を披露しました。積極的な人は、毎晩異なる曲を引っ提げて舞台に登場し、演奏しては先生方や仲間達からアドバイスや評価をもらって自分の糧にしていたようです。私たちのような日本からの参加者にとって、特にこうした発表の場は「異国の地で、言語の違う人たちに聴いてもらえる」という、日常ではなかなか巡り合うことのできない貴重な体験となりました。

 こうして6日間の講習会を経た後、7日目は午前中に指揮法のクラスのテストが行われ、その後ファイナルコンサートが開かれました。日本チームは全員浴衣で演奏し、最後に講習会参加者全員で記念写真を撮って、講習会は終了となりました。現地の生徒や先生、ベネズエラの4人、児嶋さんらとの名残惜しい別れの後、私たちはバスに飛び乗って次の宿泊地Berschweilerへ。そこで昨年日本に演奏旅行に来たザールマンドリンオーケストラのメンバーからお礼のディナーにご招待頂き、美味しいフランス料理を御馳走になりました。
 翌8日はUrexweilerの教会での交流コンサートです。午前中にリハーサルを行った後、お昼はオーケストラの方々とバーベキューをして、いよいよ本番。会場となった教会は天井が非常に高く、自分の弾いた音の余韻が上空に舞って次の音に重なっていくような、そんな印象を抱かせるとても素敵な教会でした。コンサートではまず地元のオーケストラがチェンバロ協奏曲を披露し、その後、松下やよいさんのソロによるヴィヴァルディの協奏曲、片岡先生・オケの指揮者であるMarkus Lauerさん率いる四重奏、そして日本チームからも有志メンバーがソロや二重奏を演奏させていただきました。日本チームのアンサンブルでは、越智敬先生をソリストに迎えて、越智先生のために書かれた「Standchen」という曲を演奏し、最後は全員で桑原康雄作曲「初秋の唄」を披露、アンコールでは地元に伝わる民謡を演奏・合唱して、大団円となりました。

 最後に、越智敬先生より「日本の演奏者の皆様に必ず伝えてください。」と言われたことが3点あります。

1) 近年チューナーという便利な道具が普及してきており、このチューナーを楽器に装着したまま舞台に上がってしまう人が増えていますが、チューナーをつけたままにしておくのは舞台マナーとして非常にだらしのないものであるからして、絶対にやらないように心掛けて頂きたいとのことでした。次に、演奏時の構え方についてです。

2) ドイツでは近年、足台に両足を乗っけて、両足を揃えて演奏する人が増えていたのですが、このスタイルを実践していた人たちが現在、次々と腰痛に悩まされています。この演奏スタイルは一見すると非常に楽な姿勢に思えるのですが、実際には腰に強い負荷がかかってしまいドイツでは大きな問題となっているそうです。従って、現在日本で実践されている方は、いますぐにやめて正しい座り方に修正してほしいとのことでした。

3)譜面の違法コピーに関する問題です。日本では、日常的に当然の如く譜面のコピーが横行していますが、これは本来著作権の観点から見ると望ましいことではなく、ドイツでは著作権に対して厳しい法律が敷かれており、譜面のコピーを簡単にすることができません。実際に今回の講習会でも、配布された譜面は全て現地で回収されました。悪質な大量コピーは、作曲者や譜面会社の権利を著しく侵害するため、譜面のコピーに関しては、きちんとしたモラルを持って取り組んで頂きたい、とのことでした。

 今回のセミナー及びコンサートでは、日本の中だけでは得られない経験をたくさんさせていただいて、本当に充実した11日間だったと実感しています。熱心に教えていただいた先生方、講習会・コンサートに一緒に参加した各国の仲間達、そして大変お世話になった越智先生に心から感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
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