楽譜を正確に読もう!
ある方のレッスンで、
「休みでないのだからとにかく次の音まで指を離さないで」という話しをした時、
「なぜですか?」と聞かれました。
「音符がある限り音は流れているのだから、とにかく最初は書いてある通りに弾いたほうが良い」
「それから自分の意思で長くしたり、短くしたり、強く、弱く創っていって、心を音に表すことを考えるのが順序だと思う。」
こんなことを話しているうちに、その方が「これって、毎日の全てのことに言えますね。」
本当にそうかもしれませんね。
(2003年 2月18日の日記より)
~~今日は楽譜のことで~~
先日ドイツで買ってきた楽譜、バイオリン2台のオリジナル二重奏をマンドリン2台に書きなおしたものです。
どうしても源譜が見たくて取り寄せてみました。音符には変わりはないのですが、どこかイメージが違うのです。
その楽譜で弾いてみたら、今まで何となくぎくしゃくしていたところがす~~っと違和感なく通り過ぎました。
不思議~~な現象です。
目で感じる印象って大事なのですね。
余計なことが書いてない分、スラーとかお互いの動きとかが感じやすく出来ているのかもしれません。 すご~~く新鮮な体験でした。
(2010年 9月 9日の日記より)
楽譜をどう読む?
こんな質問がありました。
「作曲家、演奏家両方やって自作自演の人はよいけど、先生は楽譜をどう読むのですか?」
私はこう思うのです。
たとえば、ある作家が書いた小説を読んで、それを朗読で伝えるとき、
その情景、気持、作家が言いたかったこと、自分が感じた事、いろんな事を考え、それをどのように伝えれば人に伝わるだろうか?
また、それをキャッチする人は、またそれに自分の受け止め方を持って聴きますよね。
音楽も同じではないでしょうか?
やはり、まずその曲を作った人の意思を良く考えて、楽譜を隅々まで細かく読んで、
それから自分の意思と共に、いろんな技術、方法を使って音に表していくのでしょう。
ということは、自分の思い描いた音、テンポ、ニュアンスを表現できるだけの技術と、豊かな心が必要です。
技術は、練習でいくらでも上達できます。
心の方は、沢山の経験と感受性を養って、いろんな物を吸収してください。
これは、一生かかっても完成しないですね・・・・・
(2003年 5月 9日の日記より)
いろんな好み、音の問題
今日のレッスン中の困った話
あるアンサンブルに所属している方が「この弦(Tmス)は、当アンサンブルには合わないから、Op●●の赤弦に替えてください。」
と言われたということで、仕方なく全部取り換えてみました。
ところが、その方の楽器に相性が悪いのでしょうか?びりびり音になってしまいました。こんな時、難しいですね。
自分の楽器にあった弦、自分の好きな音の弦、とその団体のもつ好みの弦、自分が譲歩するしかないのかしらね?
でもご本人は良い音で弾きたいな~~!困った様子で帰られました。
別な方の話
やはりアンサンブルで、ここはピッキングですか、トレモロですか?みたいな質問多いのですが、これも困るのよね。。。
「それは、指揮者に聞かないと・・・・」 でもきっと、初心者の方は指揮者に聞きにくいのですね・・・・。
弾きやすい指使いや、ポジションはいくらでも教えてあげられるのだけどね。
トレモロは平行に垂直にピックを当てて、と思っている方が多いけど、いろんな角度であててみるといろんな音がします。
これもまたなかなか納得してもらえないことが多いです。
でも試しにいろいろやってみてください。
かえってきりっと締まった音がしたり、繊細な音、温かい音、ハスキーな音、ちょっとだらしない音、ビリビリトレモロ、いろんな表現ができますよ。
(2010年 7月 6日の日記より)
速度について
Lent,Andante,Moderato,Allegro,など速度を表す言葉ですが、メトロノームに表示されているのはあくまでの「だいたいコンな感じ」と
いっているだけで、そのままうのみにしないで下さいね。
その曲の流れがレント(穏やかでゆっくり)になるように歌ってみてきめると良いかしらね。
単語・言葉の意味を良く考えて、速いのも、素早いのか? 元気良くなのか? 軽やかなのか?
優雅なのか? 超スピードがいいのか? 良く考えて判断してください。
(2004年 4月16日の日記より)
ダウン・アップ
今日のテスタの練習中に思ったのですが、
ピッキングのダウンをつかうか?アップを使うか?すっご〜く大事なのだな〜〜と思いました。
微妙にニュアンスが違うので、どちらの音も大切に使いこなさなければ意味なくなりますよね。
それにトレモロもあるでしょう?
どの音も同じものは無いのだから大変な楽器ですよね。
それだけ真剣に取り組めば表現力は広がりますよね。
というわけで、未来に可能性いっぱいのマンドリンです。
(2003年 3月23日の日記より)
ダウン∧?アップ∨?
「ピッキングで弾く場合∧でひくか、∧∨で弾くか、なにを基準に判断すればいいのでしょうか?」
これって、マンドリン演奏に携わるものが永久に悩まされる問題です。
∧の特徴:強く弾ける、むらが無い、タッチが早い、強迫部を弾くのにリズム感が合う。
∨の特徴:とんがった鋭い音、やさしさのある音、瞬間の反応が速い(短い休みの後出る場合)。表現力がある。
∧ばかりで弾いた場合:音にムラがない、強い感じ、スタッカートの感じ、が出しやすい。弦の移動に問題がない、速さに限度がある。
∧∨で弾いた場合:スラーがかけやすい(レガート)、あまり強い音が出しにくい、弦の移動がしにくい場合がある。
こんな事を参考にしてその時々で決めてくださいね。一時ドイツでは、この音のムラがいやで
出きるだけダウンで弾くという方向に行っていましたが、今では、その特徴を出きるだけ生かして
曲にあった方法を決めているようになっています。
クロスピッキング、クーレ、などいろんな方法を全部使ってくださいね。
(2004年 5月 7日の日記より)
練習の仕方
自分が「面白くない・・・」と思って弾いているものは、聞いてる人にも面白く聞えるわけがないですよね。
でも良く分析して理解できていくときっと楽しくなってきて、聞いてる人も引き付けられるようになるのよね。
皆はすぐにテンポどおりに弾こうとするけれど、
まずはゆっくりゆっくりと音を読んで、
一つ残らず正しい音で弾いて、
句読点を良く考えて、
出来ない部分だけをいっぱい練習して
だんだんに理想のテンポに仕上げていってくださいね。
句読点を良く考えることとゆっくり練習がほとんどの皆さんに足りないところかも・・・
「この曲の速さはどれぐらいですか?」とまず聞く人が多いけれどこれは間違いです。
まずは自分の出来る範囲の速さで・・・
決められた形にとらわれないで、いろんな指使いや音の出し方を工夫してみてください。
思いもよらない変化がついたり、簡単になったりしますよ。逆もあるけど何だってやってみなければ解らないものね。
(2004年 7月16日の日記より)
「f」の意味?
「f」フォルテ と書いてあるとき皆はどう考えますか?その人が言うには、これは音の「強」ではない。「開」だと言うのです。
これってすごくぴったりですね。普段からいろんなことを感じることの訓練が必要なんです。
心に感じてなければ勿論表現なんて出来ないものね。やはり書いてありましたよ。
本を読み、絵を鑑賞し、景色を眺め、いろんな音楽を聴き、いろんな空気を吸って、感性を養ってください。
(2004年 8月 5日の日記より)
スタッカート
ある本を読んでいたら、アクセントとスフォルツァンドの違いとかスタッカートの意味などが書かれていました。
スタッカート:必ずしも短く切るので無くその曲のイメージであるから・・・・
アクセント:その音だけ強くであるけれども時にはテヌートであったりスタッカートであったり
スフォルツァンド:その部分を印象強くする
でも、最終的にはその音楽をどう表現するか?ですって
これを読んで、私が普段皆に言っていることが間違えていないのだと確信しました。
PやFもそうですよね。どんな情景をどのようにつたえるか?
皆で良く考え様ね!
(2003年 3月26日の日記より)
言うは安し
そろそろギター伴奏を合わせに行く時期ですので、私が弾くのを控えて皆の弾いているのを聴くようにしてみました。
改めていろんな事に気づきます。
*)リズムが悪い。(1拍、2拍、3拍、4拍、それぞれに意味があるのです。)
皆、指揮者になったつもりで歌ってみるといいと思います。
*)重音の時、どっちがメロディーかを良く認識して弾いてください。
*)作曲家がどのように弾いて欲しいと思っているか? 良く考えてね。
これって、「言うは安し、するは難し!」です。
(2003年 4月17日の日記より)
心を読む!
指揮者があいまいにふっていると、演奏者も、いい加減になるのだな? てツクヅク思いました。
こちらが迷わずメッセージを出せば必ずきちんと答えが返ってきます。
音楽は「これだ!」ってすごく思いました。
これは、演奏するときも同じですね。
ソロなどでも、きちんと意思を持って楽譜を読むようにすればいいですね。
いつかの暗譜の方法のときに書いた
「ただ音符を読むのでなく、物語を読むときと同じで、文字を読むのでなく、心、情景、内容を読んでいくとおぼえられますよ。」
そんな風に演奏すれば必ず相手に通じるよねきっと。
(2004年10月17日の日記より)
トレモロ?ピッキング?
大学のクラブでやっている曲をレッスンでやるとき一番多い質問が「ここはトレモロでしょうか?
ピッキングでしょうか?」というものです。
これって一番答えにくいですよね。決まっているわけでもなく、その時々で考えなくてはいけないことだから。
今日もその話で「何音符はトレモロ、何音符はピッキングなんて考え方は止めたほうがいいと思う。」
「既成概念にとらわれないで考えたら・・・」「それが一番困るんです。」
と言われました。そうなのですね。その時々で考えるのが一番大変なのですね。
昨日のカテリーナさんも仰っていました。
楽譜を正しく弾くのではなく音楽を歌うことが大切です。
(2004年10月30日の日記より)
どのポジション?
「これは、どのポジションでひくのですか?」 弾いてみる前に聞く人がいます。
「自分で何通りでも考えてから質問したら?」
弾いた結果どれが自分にあっているか?曲想にあっているか? 判断できないときに質問・・・が良いですね。
少なくとも「オデル」の3巻はポジション練習です。その辺まですんでいる人はなおさらですね。
まず自分で考えよう!
(2004年11月18日の日記より)
ゆっくりじっくり
今日思ったこと:皆忙しいのだな? ゆっくりじっくり練習する時間がないらしい。
デモね、たとえ1小節でも1段でも2段でもをゆっくり練習することが大事だな、と思います。
なんとなくサラサラと流して練習するのでなくです。
(2004年12月 1日の日記より)
テンポ正しく・・
どんなに自由に弾いてもよいカデンツでも、取り敢えずは音の長さ、リズムをきちんととって
弾けるようにしてから自由に変化をつけないと勝手気ままな説得力のない演奏になってしまいます。
弾けるところだけ早く。出来ないところはゆっくりなんてダメですよ。
(2004年12月20日の日記より)
フォルティッシモ!
今日レッスンしていて思ったこと
自信がなくなると、音もデクレッシェンドしていってしまいます。
そんな時「間違えても良いやっ!!!」と大きな声で歌いながらフォルティッシモで弾くと案外うまくいくものです。
これは集中力の問題で、大きな音を出すことでほかの事を考えないからだと思うのよね・・・・
(2005年 1月18日の日記より)
タブ譜
タブ譜って知っていますか?
五線譜でなくて四線になっていて、マンドリンの弦を表していて、そこに番号が書いてあります。これが、フレットを指示しているのです。
だから音符が読めなくても、調弦さえ合っていれば、必ず音が出るという仕組みです。
でも、どの指で押さえるか?までは書いていないのです。
コード(和音)で弾くときはとても役に立ちますね。
(2003年 5月14日の日記より)
ムニエル四重奏
ムニエル四重奏
この楽譜をよーく見ていると(マウリ社出版)
「練習中にムニエルが指導したとき、ここは出すように・・・」と言った場所には「フォルテ」と書いてあり
「ここは、他が聞こえるように・・・」と言った場所には「P」と書いてあるように、感じています。
きっと、私達が普段練習中に書きこみするような事をそのまま出版したのかな?
それで、演奏を見なおして行くと頷けるような気がしてます。
こんな見方をして行くと練習風景が見えてくるようでとっても面白いです。
(2003年 6月12日の日記より)
良く考えよう!
楽譜に書いてある事を読み取るって本当に難しいですね。
ただ一つだけ言える事は、「書いてあるから、ただその通りに弾く」というのは辞めなければいけないですね。
なぜ、そう書いてあるか?を考えて、結果が自分もその考えであればするのです。
指使いも同じくですね。「その指を使うとこういう音になる。」結果
自分がやってもそうなって納得いくなら良いですが、納得いかなければ他の方法を考えましょう。
(2003年11月 5日の日記より)
み~~んな音楽の表現
一生懸命、練習するときに、
楽譜だけ見つめて音符を目で認識して弾いている人と、
出てきた音を想像し、歌いながら演奏している人、
音として表現したくて指揮者になったつもりで弾いている人、
いろんな人がいるけれど、どれも大事、音符の長さ、お休み、み~~んな音楽の表現なんだよね。
(2010年 8月12日の日記より)
四重奏曲
今日は四重奏の練習しているグループの練習がありました。
ストリングスの四重奏の曲を練習していると、
ヴァイオリンだとこんな音だから、それをマンドリンで表現するにはどう弾いたら表現できるだろうか?
トレモロもピッキングも最大限に使って、原曲の雰囲気をつかみながら、マンドリンらしい四重奏にできたら本当に良いのにね。
ついつい音符を追ってるばかりになって、4分音符以上はトレモロ、八分音符からは、ピッキングなんて決め方してしまったり、
固定観念にとらわれてしまって実際の音に無頓着になってしまう恐れがあります。
ヴァイオリンと決して同じにはできないのだから、マンドリンの良さのでる演奏ができるといいですね。
マンドチェロとヴァイオリンチェロ、これもまったくといっていいぐらい違います。同じ楽譜でも同じにいかない、もどかしいです。
でもいろいろ工夫していくと全体がよくなってくるから不思議です。
(2008年 1月28日の日記より)
音符を読むこと
今日、自分で練習していて思ったのですが、むやみやたらに練習しても覚えられないということを・・・・・。
良く楽譜を見て口で音を読みながら、構成をよく頭に入れながら手を動かしていくことがとても大事です。
口で覚えることでリズムも音も、手に(脳みそに)入っていくからです。
それでも夕方にちょっと合わせる機会があって弾いたのですが、
流れの中に入ろうとすると覚えたものもすっかり何処かに飛んでしまいます。
これを繰り返しているうちに覚えられるさ~~!とは思っているのだけど。。。
年とともに時間掛かるのは仕方ないのかな?とにかく覚えなくっちゃ!
よく「音を読んでいたら弾けません!」という方がいらっしゃいますが、
練習してくださいね。きっと今の数倍いい音が出ると思いますよ。
昔は楽譜は全部手で書いて写したのだから、一音残らず口で読みながら手で書いていたのだから、練習始める前にすでに細かく見ているのだから、音を出す時は楽でしたね。
今は何でもコピーで済むわけで却って読むのに努力が要りますね。
でもとても大事なことです。
(2012年 9月10日の日記より)
色々な音
マンドリンのピッキングについてなのですが、
マンドリンの奏法に大きく分けてトレモロとピッキングがあります。
そのピッキングのことですが、ほとんどの方が
8分音符はピッキング?
2分音符はトレモロ?
16分音符はダウン・アップですか?
みたいな質問をしてくださいます。
ピッキングにもダウンとアップがあります。
ダウンにはダウンの響き、アップにはその特徴があります。
だからこの音符はどんな音を求めているか?で決めなくっちゃね・・・・
勿論速度が速ければダウンアップにきまってるんだけど。。。。
均等な音でストロークするか?
わざと違う音になるように弾くか?
トレモロもどんなトレモロ?
ダウンアップ均等か?ちょっと斜めに当てる?
一本しか弾かないようにする?
いろんな音考えてみてくださいね。
(2012年 8月23日の日記より)