片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2012年06月25日  第63回話音倶楽部

午後7時開演

出 演: 岡村光玉 (奈良県在住/マンドリン史研究家・声楽家)


    第63回話音倶楽部-1

今回の話音倶楽部は、マンドリン史研究家・声楽家の岡村光玉さんをお迎えしました。
珍しく演奏のないお話だけの話音倶楽部です。
休憩もないので初めからワインサービスを行い、最初に岡村さんと乾杯してお話が始まりました。

岡村さんは脳卒中から構音障害や失語症になり、リハビリによって克服された経験があり、
その時のご経験や、発生練習の内容を教えてくださいました。
お客様と一緒に、しばしお腹から声を出す練習です。
岡村さんのおっしゃるとおりに声を出すと、遠くまで通る声が出るので不思議でした。

 第63回話音倶楽部-falbo-1 第63回話音倶楽部-falbo-2

40年以上前の同志社大学マンドリンクラブ定期演奏会で演奏された『序曲 ニ短調』の
CDを聴きながら、資料として配布された楽譜についての説明がありました。
この楽譜はイタリア留学中に岡村さんご自身が発見された、イルプレットロ社の楽譜です。
続いて『スペイン』についても、CDを聴きながら、岡村さんの解釈を説明してくださいました。

 第63回話音倶楽部-falbo-4

イタリアに留学されたときのことも、たくさんお話してくださいました。
長期滞在するにはビザが必要になるので音楽学校に相談に行かれましたが、
マンドリン音楽史を研究するだけの学科はなく、
その直後にあった声楽科の試験を受けることにしたそうです。
試験には90人もの受験者がいたそうですが、岡村さんは日本の歌を歌って合格。
それからは心置きなくマンドリン音楽の研究に没頭されたようです。

こんな波乱万丈な半生を過ごされてきた岡村さんの語る、大変貴重でおもしろいお話の数々に、
お客様はみな惹きこまれていきました。

          第63回話音倶楽部-2

岡村さんの夢は、
理想的なファルボの演奏をしてくれるマンドリン団体が現れ、その演奏を聴くことだそうです。
ファルボやイタリア音楽に対する
岡村さんの深い愛情のこもったお話で、あっという間の時間でした。    (本田 記)


●プログラム● -----------------------------------------------------------------

 サルヴァトーレ・ファルボ と イタリア マンドリン音楽   を語る

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        63回話音倶楽部 マンドリン史研究家-岡村光玉
                  岡村光玉
             (マンドリン史研究家/声楽家)
            (「失語症・声楽」発声研究所主宰)

●プロフィール● -----------------------------------------------------------------

岡村 光玉 (おかむら みつたま)

 1947年奈良県生まれ。高校時代にマンドリンクラブ入部。
 同志社大学卒業後、1974年、マンドリン音楽の探索のため渡伊。同年、フィレンツェの国立ケルビーニ音楽院声楽科に入学。在学中、フィレンツェの現代音楽祭にてデビュー。
 1979年、同音楽院卒業後、故マリオ・デル・モナコに師事。
 1982年、第33回ヴィオッティ国際声楽コンクールにて金賞受賞。
 以後、オーストリアのウィーンに在住し、世界各地で20年余り活動。
 1997年脳内出血、2003年脳梗塞で倒れ、失語症に陥るものの、オペラのベルカント唱法を応用した独自の療法で奇跡的に回復。
 2004年帰国。11月「なら100年会館」にて、帰国コンサートを開催。
 2005年6月「失語症・声楽」岡村式発声研究所を出身地奈良県に設立。
 現在、研究所主宰の他、コンサート活動、音楽療法士として介護老人福祉などの歌唱指導、講演、エッセイ、著作など、様々な活動を行っている。

 「失語症・声楽」岡村式発声研究所
 http://homepage2.nifty.com/SSK-Okamura/

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留学先のイタリアでカルロ・ムニエルのお墓を探し整備されたことでも知られていらっしゃる
マンドリン史研究家の岡村光玉氏が、話音倶楽部にて
サルヴァトーレ・ファルボとイタリアマンドリン音楽について熱く語られます!