午後4時開演
出 演: 片岡道子(マンドリン)
松下やよい(マンドリン)
田久保真貴子(マンドリン)
小林夏子(ピアノ)
第52回話音倶楽部は、クリスマスシーズン恒例のスタッフによる演奏です。
話音倶楽部では毎回、出演者の方は前もって会場に入り、直前まで入念なリハーサルを行います。
今回は奏者が研究所のメンバーということもあり、「こんなのどうかしら」「こうした方がいんじゃない?」と試行錯誤を繰り返す様子はまるで普段のレッスンのようでした。
お客様も、やはり知ったお顔の方が多く、まだリハーサル中にも関わらずどんどん席が埋まっていきます。そしてその流れのまま、軽い挨拶だけをしてスっと演奏会の幕が開きます。
曲目は古典から現代、また昔に戻ったかと思ったら現代曲、そしてタンゴと、とても多彩な取り合わせです。
冒頭の「2つのヴァイオリンの為の12の小品」は、モーツァルトのお父さんが作った曲。松下さんと片岡先生の二重奏です。「ヴァイオリンの〜」と謳っていますが、とってもオーソドックスな古典の曲で楽器を問わず演奏できます。松下さんの「誰でも弾けるから演奏してみて!」の一言に、興味深々のお客様もいらっしゃったようでした。
2曲目は奏者がかわり、田久保さんと片岡先生でレオーネの二重奏。マンドリンの演奏ではお馴染の作曲家ですが、パリっと早弾きで弾かれることが多い中、お二人の演奏は、とってもしっとりとした雰囲気で逆に新鮮な印象でした。
再び奏者を交代して松下さんと片岡先生で、曲はセバスチャン・パチの二重奏「クラシコ」です。先程とは打って変って今度はぐーんと現代の曲。コマの部分を使用したり、リズムやメロディも変則的ですが、お二人の演奏はパシッとハマっていて、お客様はとても興味深げに聴き入っていました。「おばさん二人がこんなに新しい曲を頑張ってます!」と笑って話す片岡先生ですが、若い人もどんどんこのような曲に挑戦することになったら楽しいですね。
休憩を挿んで後半は片岡先生、松下さん、ピアノの小林さんのトリオで、ボッテシーニの「パッショーネ アモロッサ」です。もともとコントラバス2本とピアノの為に書かれた楽曲ですが、今回はそれをマンドリン2本とピアノで挑戦した試みでした。「いったいこれをコントラバスでどう弾いているのだろう」と逆に原曲に興味がそそられるほど、マンドリンでの演奏が面白く、「これからも挑戦します」とのことでしたので、是非また聴いてみたいです。
次はジョン・マーソンで「いちごとクリーム」です。まるでスイーツのメニューのようなタイトルですが、れっきとしたハープの組曲です。メロディを聴いて気になった片岡先生が探して探して!やっと手に入れた楽譜での演奏でした。タイトルに違わない甘〜い、聴きやすい曲で、演奏後のお客様の反応が一番よかったようでした。マーソンは映画音楽もよく手がけているとのことです。気になった方は探してみてはいかがでしょうか?
最後は「ティコティコ」などのタンゴを数曲。
前奏がはじまった段階から客席が揺れ始め、奏者もお客様もとってもノリノリでした。
アンコールは田久保さんも加わってヘンデルの「ラルゴ」。
誰もが知っているとても有名な曲で、片岡先生も度々アンコールに取り上げています。
冒頭の、ソロがスーっと入ってくるトレモロは、まるで自分の声で歌っている様で、なんど聴いても心を奪われます。
実行委員会メンバーの演奏によるこのクリスマスの話音倶楽部を、毎年楽しみにしてくださっているお客様がいらっしゃること、大変うれしく思います。
至らないところも多々あると思いますが、これからも話音倶楽部をどうぞ宜しくお願いいたします。
(石田 記)
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〜〜 出演者から 〜〜
■片岡道子
今年の最後の演奏会で52回です。こんなに続くと思っていませんでした。
第1回は1998年12月ですから満11歳ということですね。
最初は、私の今迄にかかわったいろいろなジャンルの演奏家のみなさんの演奏とお話を、マンドリン愛好家の方々に身近に聴いて欲しくて始めたのです。でも10年間一番楽しんでいたのは私自身ですね。
沢山の皆様のご協力で今まで続いてきました。本当にありがとうございます。
これからもマンドリンの可能性を求めて、違う世界の音楽を聴き接して学んでいきたいと思っています。
感謝の気持ちを込めて・・・
■松下やよい
暮れのお忙しい中を、お越しくださった皆様有り難うございました。お陰さまで、私達の演奏を最後に今年も無事終えることが出来ました。一年を通して応援して下さった皆様有り難うございます。来年も皆様と一緒に素敵な音楽を楽しみたいと思います。これからも話音倶楽部を宜しくお願いいたします。
■田久保真貴子
年末のお忙しい中、話音倶楽部に足を運んで頂いたお客様に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。暖かい雰囲気の中でこそ演奏できました。この経験をこれからに生かして行きたいと思っています。
来年も話音倶楽部を宜しくお願い致します。
■小林夏子
今年は2月に、トレ フィオーリの演奏会もあり、とても充実した一年でした。三人で続けられること、家族の応援に感謝しながら、また来年も楽しんで演奏して行きたいと思います。
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●プログラム● -----------------------------------------------------------------
第Ⅰ部
<松下やよい、片岡道子>
「2 つのヴァイオリンの為の12 の小品」より ・・・レオポルド モーツァルト
Zwölf Spielstücke für zwei Violinen ・・・Leopold Mozart
Andante, ouré gaiment, Kanon(Teleman),
Tempo di Minuetto, Alla breve, Allegro ma non troppo
<田久保真貴子、片岡道子>
二重奏2 番 ニ長調 ・・・ガブリエル レオーネ
Duo Nr.II D-Dur ・・・Gabriele Leone Bearb.:Marga Wildien-Hüsgen
Allegretto-Allegro-Rondo Varie
<松下やよい、片岡道子>
二重奏「クラシコ」 ・・・セバスチャン パチ
Duo classico(pour deux mandolines) ・・・Sébastien Paci
Allegro giocoso-Berceuse-Allegretto semplice
第Ⅱ部
<トレ フィオーリ : 片岡道子、松下やよい、小林夏子>
パッショーネ アモロッサ ・・・ジョバンニ ボッテシーニ
Passione Amorosa(for two double basses and piano) ・・・Giovanni Bottesini
Allegro-Andante-Allegretto
いちごとクリーム 「フルートとハープの為の組曲」より ・・・ジョン マーソン
5-Strawberries And Cream(Suite for Flute and Harp) ・・・John Marson
ティコティコ 他
Tico-tico no fubá etc.
アンコール
<片岡道子、松下やよい、田久保真貴子、小林夏子>
ラルゴ ・・・ゲオルク フリードリヒ ヘンデル
Ombra mai fu ・・・Georg Friedrich Händel
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