午後4時開演
出 演: 講師 小川和隆(ギタリスト)
演奏 山本彩加(1st マンドリン)
須藤美緒(2nd マンドリン)
鈴木兼三(マンドラ)
森 翔一郎(ギター)
今回の話音倶楽部は【特別企画】、ギタリストの小川和隆先生をお招きしての公開講座でした。
大学のクラブ仲間4人からなるカルテットが、萩原朔太郎作曲「機織る乙女」、Vlado Sunko作曲「パセージ」の2曲に取り組み、小川先生に指導して頂きました。
始めは少し緊張した空気がありましたが、だんだんほぐれてゆき、カルテットのメンバーから積極的な質問があり、聴いている側からも意見が出たり、と非常に活発で有意義な時間を過ごすことが出来ました。
今日は公開講座なので、受付でお客様(受講者)も全員楽譜を受け取り、いざスタートです。
前半は「機織る乙女」です。
まず、カルテットが今日までの練習の成果を小川先生に聴いて頂きました。先生から「もっと楽しそうに」とのアドバイス。カルテットのみなさんはすごく真剣なゆえ、少し緊張、肩に力が入ってしまっていたのかもしれません。
最後のテンポがいきなり速くなって終わりに向かう部分。フェルマータから突然プレストになるところの間の取り方や、終わりの休符の長さなど、細かいことですが大切なところに注目して指導がありました。
また、始めのカデンツァの部分では同じ音型を2ndマンドリン、ドラ、ギターとかわりばんこに弾いていて、これはどのようなことなのか?どのように弾けばいいのか?など考え議論しました。
奏者も聴いている側もすごく集中し少々疲れてきましたので、お菓子とお茶で短い休憩をとりました。
休憩が終わり、後半は「パセージ」です。
譜面に付属している解説はドイツ語で、かなり難しいようでした。(大学院の独文科でとりあげられるような難しさだとか…)そこからイメージを膨らましてみたりします。
「パセージ」はギターが4分音符でウォーキングしていたり、メロディーもなんとなくそれっぽいリズムのジャズやスウィングの要素が混じった現代音楽です。一見譜面を見るとごちゃごちゃしているようなのですが、実は綺麗に整理されている曲との印象も受けました。
一回通して演奏されたあと、この曲はどんなイメージなのでしょうか?という問いかけに、「都会の感じ」「水が滴っている」「泥棒のよう」などたくさんのイメージや意見がでました。
2ndマンドリンがシンコペーションでリズムを作る箇所がたくさん、他のパートも一緒にシンコペーションする部分があるのですが、そこがもっときっちり合うと素晴らしいということで、4人のうち1人が手を叩いて残りの3人が弾いてみるという練習をしてみました。最後には、受講者全員が手を叩き4人で弾いてみました。このような練習は他の曲でも役に立つのではないかと思います。リズムが複雑な曲なので他パートの音をしっかり聴くことがいつも以上に必要なようです。
また、5度の和音のことから始まったコードの話など音楽理論のことにも足を踏み入れて考えてみました。音の意味(存在の意味という感じでしょうか?)を考えることも大切なようです。
今回、公開講座というのは研究所初めての試みでしたが大成功だったと思います!
小川先生、丁寧なご指導本当にありがとうございました。
小川先生ならびにカルテットのみなさんのますますのご活躍をお祈りしています!
(高橋正幸 記)
レポートありがとうございました
●プログラム● -----------------------------------------------------------------
・機織る乙女 ・・・萩原朔太郎
・パセージ ・・・Vlado Sunko
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