片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2009年03月28日  第49回話音倶楽部

午後4時開演

出 演: 藤元高輝 ギター
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今回の話音倶楽部のゲストは今注目の若手ギタリスト、藤元高輝さん。
藤元さんは現在、東京音楽大学付属高校に通う現役高校生。
昨年、ヴァイカースハイム国際音楽祭で行われたギターコンクール(2008.8.24 ドイツ)で第1位、その後に開催された第26回スペインギター音楽コンクール(2008.10.12 東京)でも第1位に輝いた、将来期待のクラシックギタリストです。

ご両親のお話では藤元さんがギターを始めたのは3歳から。
ギターが趣味のお父様が「将来一緒に弾ければ」と、一部屋に一台ギターを置いてオモチャ代わりに遊ばせたのがきっかけだったそうです。
そんなお話を伺っているうちにあっという間に本番に。藤元さんはほとんど休憩も取らずにリハーサルからそのまま演奏に突入。
     
一曲目はテデスコの「ソナタ“ボッケリーニ賛歌”」。
この曲はギターの難曲として知られていますが「かっこいいから選びました」と涼しい顔で弾ききった藤元さん。終楽章の快速な演奏はさすがでした。
演奏終了後は話音倶楽部恒例のお話タイム。「喋るのは苦手です…」とのことでしたが、テデスコのことや曲の成立ちなど、お客さんの質問に丁寧に答えてくださいました。
 
「あまり喋るとボロが出るから」と苦笑しながら早々と演奏を再開。アグアドの「序奏とロンド」、続けてロドリーゴの「ソナタ・ジョコーサ」へ。
ジョコーサはドイツのコンクールでも弾かれたタフな曲ですが、呼吸をするように自然に演奏するその姿に思わず魅入ってしまいました。「緊張しないのですか?」とのお客さんの質問に、「緊張はするけれど、もう緊張慣れしちゃいました。本番が楽しいんです」と頼もしい一言。

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そして休憩へ。
今日はゲストが高校生ということで、ワインの代わりに手作りお菓子でおもてなしです。
藤元さんは「せっかくの機会だから」と、控え室には戻らず、その場でお客さんとギターの話で盛り上がっていました。ちなみに藤元さんのギターは今井勇一氏の作で本人曰く「コンクール向き」だそうです。綺麗な装飾が目を惹きました。


後半はスカルラッティのソナタ、ソルのグランソロ、アセンシオの「内なる想い」と、おしゃべりなしでノンストップの演奏。曲が進むにつれてどんどんボルテージが上がっていきます。
最後はセルジオ・アサドの「アクアレル」。今年の1月にスペインギターニューイヤーコンサート(スペインギター音楽コンクール入賞者によるコンサート)で弾かれた曲だそうです。演奏困難な曲ですが、それまで聴いたこともないような速さで、全く破綻のない好演奏でした。

そしてアンコールは、ご自身のCDにも収録されているバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」から「ルーマニア風ポルカ」と「速い踊り」を、そしてなんと!自作の曲も披露してくださいました。非常に藤元さんらしい勢いのある快活な曲で、まだタイトルがないそうなので、是非、話音倶楽部にちなんだタイトルを付けて頂きたいです。

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今日の演奏で取り上げられた曲はどれもコンクールの課題曲や、コンサートのメイン曲で演奏されるような曲ばかりでした。最後までペースを落とすことなく疾走するように演奏していた藤元さんですが、演奏会終了後に「さすがに疲れました…」と、笑顔でおっしゃっていました。

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藤元さんが、世界へ大きくはばたかれ、ご活躍されることを、一同心より応援しています!
                                               (石田 記)

●プログラム● -----------------------------------------------------------------

第Ⅰ部
・ソナタ「ボッケリーニ賛歌」  ・・・M.C.テデスコ
 Sonata Omaggio a Boccherini
  Ⅰ Allegro con spirito
  Ⅱ Andantino, quasi canzone
  Ⅲ Tempo di Minuetto
  Ⅳ Vivo ed Energico
・序奏とロンド  ・・・D.アグアド
 Trois Rondo Brillants No.2
・ソナタ・ジョコーサ  ・・・J.ロドリーゴ
 Sonata Giocosa
  Ⅰ Allegro moderato
  Ⅱ Andante moderato
  Ⅲ Allegro

第Ⅱ部
・ソナタK.377  ・・・D.スカルラッティ
 Sonatas K.377
・グランソロ  ・・・F.ソル
 Grand Solo Op.14
・内なる想い  ・・・V.アセンシオ
 Collectici intim
  Ⅰ 心静かに La Serenor
  Ⅱ 宝物 La Joia
  Ⅲ 静寂 La Calma
  Ⅳ よろこび La Gonbanca
  Ⅴ あこがれ La Frisanca
・アクアレル  ・・・S.アサド
 Aquarelle
  Ⅰ Divertimento
  Ⅱ Valseana
  Ⅲ Preludeo e toccatina

アンコール
・( 無 題 )  ・・・藤元高輝
・ルーマニア民俗舞曲  ・・・B.バルトーク
 Rumanian Folk Dances
  5. ルーマニア風ポルカ
  6. 速い踊り

●プロフィール● -----------------------------------------------------------------

藤元 高輝(ふじもと こうき)
1992年東京都北区生まれ16才。東京音楽大学付属高等学校1年(クラシックギター科 荘村清志氏に師事)。3才より父からギターを習い、7才より村治昇氏に師事、11才より新井伴典氏に師事、同時に国内外のギタリストのマスタークラスを多数受講。他に作曲を塩崎美幸氏に師事。
 2003年 ジュニアギターコンクール最優秀賞
 2004年 GLC学生ギターコンクール1位 クラシカルギターコンクール1位(最年少記録) 名古屋ギターコンクール1位
 2006年 日本ギターコンクールオヌール部門ソロの部1位読売賞
 2008年 ドイツヴァイカースハイム国際ギターコンクール1位 スペインギター音楽コンクール1位
 2002年 NHK首都圏ネットワーク『夢をかなえるために』出演
 2005年 NHK-BS『あなたが主役 音楽のある街で』出演(指揮:小林研一郎、東京フィルハーモニー交響楽団) 2005年 テレビ朝日『題名のない音楽会21』「未来の大器」シリーズ出演(指揮:現田茂夫、神奈川フィルハーモニー管弦楽団)
 2006年 オーディオベーシック「いい音を選ぶ」((株)共同通信)付録CDに14曲収録
 2007年 CDバルトーク:ルーマニア民俗舞曲(青山 悟・作・編曲集)(株)フォンテック収録
 昨年はドイツ3ヶ所(ボン、ケルン、デュッセルドルフ)にてソロコンサートを行う。またハワイにて故田中千香士氏指揮によるオーケストラで「アランフェス協奏曲」のソリストをつとめる。

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   藤元高輝さんのCD
               藤元高輝CD
   2007年リリース 
       伝説の予感  藤元高輝 14才 「バルトーク  ルーマニア民族舞曲」

                        研究所 楽友の皆様のCD紹介 コーナーをご覧ください

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  第49回話音倶楽部

ギターの藤元高輝さんが話音倶楽部に登場いたします!
現在、東京音楽大学付属高校1年生。
ヴァイカースハイム国際音楽祭2008のギターコンクール(2008.8.24 ドイツ)第1位
第26回スペインギター音楽コンクール(2008.10.12 東京)第1位に輝いた
クラシックギター界で最も期待されている若者です。
みなさまお楽しみに!!