片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2007年12月23日  第44回話音倶楽部

午後4時開演

出 演: 片岡道子、松下やよい、森真理、田島泰子、片岡夏子
     (マンドリン、マンドラ、ギター、マンドリラ)  (ピアノ)


「音楽と楽しいおしゃべりで心温まるひとときを
――そんな気持ちから生まれた小さな音楽会――それが話音倶楽部です。
今回でちょうど10年を迎え、感無量です。」との片岡先生の言葉で始まった第44回話音倶楽部。
毎年12月は恒例の実行委員会メンバーによる演奏会で、
片岡先生はもちろん、他のメンバーの皆さんもマンドリン講師をなさっていたり各分野でご活躍なので、今日も多くのファンが集まりました。

       第44回話音倶楽部

まず1曲目は片岡先生と松下さんによるマンドリン2重奏でオープニング。
G.B.ジェルバジオ作曲の「二重奏曲ニ長調」です。ジェルバジオ(イタリア・ナポリ)は6曲マンドリン二重奏曲を作曲したと言われていますが、ベーレント氏の努力で出版されたのは3曲のみでした。この曲はドイツ在住の越智先生が図書館で発見しコピーをとった古い楽譜からおこしたものだそうです。ピッキング主体の可愛らしい綺麗な曲でした。出版できなかった自分の曲が何百年も後の日本で日の目をみるなんて、作曲者も喜んでいたことでしょう。
2曲目はガラっと変わって1957年生まれ50歳、ドイツの大学でギターやマンドリン講師現役のM.シュトラウスの曲で「五つの印象」という現代曲。五つの章からなる曲で各章にはイメージ・カラーが設定されています。ステージ横には和紙でちぎり絵風につくったイメージカラーの画用紙が譜面台に立てかけてあり「本来なら何も言わず、音のみで色をイメージしてもらえたら良いのでしょうけれど、今日はこれを見て強制的にイメージしてみて下さい」との松下さんの茶目っ気たっぷりのコメントに皆「ふふふ~」と和やかな雰囲気に。しかし、1曲目「赤」の第一音が稲妻のように鳴った瞬間に、客席は一瞬にして「赤」の世界に引き込まれました。大人の女の情熱を感じさせる激しい「赤」の演奏が終わると客席からは「ふぅ~」というため息がいっせいに漏れました。その後、一転して憂鬱な「ブルー」、新しい生命の息吹を感じさせる春のような「黄色」、優しい恵みの雨のような「藤色」、最後は陽気な子供達が友達をからかっているような楽しい「オレンジ」と演奏は続きました。現代曲なので、とても抽象的な曲なのですが、イメージカラーを与えられることによって聴き易くなったような印象を私は持ちました。他の方はどんな風に感じたのでしょうか?

次は田島さんと森さんによるマンドリン二重奏です。
お二人は残念ながらご多忙の為、今回で話音倶楽部の実行委員会を卒業することとなったので、ちょっとしんみりとこの10年間の思い出ばなしから始まりました。話音倶楽部の良いところは演奏者が演奏の前後にお話をしてくださるので、演奏者との距離がぐっと縮まるところですね。(実際の距離も近い)
第1回目の話音倶楽部では緊張をほぐす為にワインを飲んで失敗してしまったお話や、プライベートな話題の後に曲紹介へ。
1曲目は第1回話音倶楽部で演奏した「ポロネーズ」のパートを交換して再挑戦。
2曲目はバッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲よりヴィヴァーチェ」これはメリル・ストリープ主演の「Music of Heart」という映画でラストシーンに使用されており、映画に感激した森さんがいつかは弾きたいを思っていた曲だそうです。フルート2本の為に書き直された楽譜を元に、休符の箇所には後ろのオケ部分を加える等、工夫をして今日の為に用意したそうです。
二人の最後の話音倶楽部への思い入れが伝わってくる演奏でした。

第44回話音倶楽部 第44回話音倶楽部


さて、ここで一部が終了し、ワインとチーズカナッペのサービスがありました。片岡先生は休憩中もワインを楽しむお客様と楽しそうに団欒をしつつ、お客様全てに目配りをして
サービスをする門下生に的確な指示を出していました。う~ん、さすがは先生。


お客様も美味しいワインでほろ酔い加減になったところで、二部のスタートです。
二部の最初は片岡先生のお嬢様の夏子さんがピアノで参加し、先生と松下さんとの三重奏。夏子さんがアメリカ留学されていた2年間は一緒に弾けなかったので、先生もとても楽しみにしていたご様子。「来年は出来れば3人で演奏会を開きたいので、今日はその予告編です」、との事。
曲はカラーチェの「夜明け」と「華麗なメヌエット」。カラーチェにはマンドリン2台とピアノの三重奏が数多くあるので、これから一曲づつ仕上げていきたいと抱負を語る先生はとても楽しそう。衣装も3人共スカートをワインレッドで合わせていましたが、演奏も息がピッタリ。やはりピアノが入ると音に深みが出て素敵でした。会場の後ろでは門下生達から「お父さん」と慕われている先生のご主人様が一生懸命夏子さんの写真を撮っている姿がほほえましかったです。

  第44回話音倶楽部
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この後は再び森さんと田島さんによるマンドリン二重奏。
吉松隆さん作曲によるピアノ曲の「さりげない前奏曲」と「西へ向かう舞曲」でした。耳障りの良い、聴きやすい曲ならばマンドリンに合っているのではないか?と思い選んだそうです。マンドリン用に書かれた曲以外も積極的に取り入れていくチャレンジ精神、研究熱心さに脱帽です。この2曲は合計でも4分弱という小曲でしたが、特に「さりげない前奏曲」は、とてもはかない感じのメローディに、ほとんど全部ピチカートのみのさりげない伴奏がついていて、とても美しい曲でした。

ここで、プログラムには書かれていないサプライズ演奏が!なんと、片岡先生、森さんと田島さんが見たこともない、面白い形の楽器を持って登場してきました。
門下生の田島透さんが収集したマンドリラが3台も!ミラノ式マンドリンを考案したといわれるモンジーノやカラーチェの作った100年以上前のマンドリラだそうです。リラとはギリシャ神話にも登場する「竪琴」のこと。ポロロ~ンと第一声が鳴り響いた瞬間、神話の中か、はたまた古代の宮殿にでもタイムスリップしたような幽玄的な不思議な優雅さの世界に導かれました。弦の並び方はマンドリンと同じに作ってあるそうですが、なにしろ100年以上も弾かれていなかった?ために調弦が合わず、また弾いている間にどんどん狂ってきて弾いていた三人は抑え方を工夫したり、とても苦労なさったそうです。マンドリラはネックの両脇にある腕の部分も中が空洞になっているので、共鳴体がマンドリンの2倍から3倍はあるらしく、特に低音の響きはすばらしかったです。演目はガブリエル・レオーネの「ソナタ 6番、第2楽章」でした。
楽器を提供してくださった田島透さん、眠っていた楽器に息を吹き込んで下さった話音倶楽部の皆様、貴重な経験をありがとうございました。

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さあ、優雅なリラの後はいよいよマンドリン四重奏で最後のプログラムです。
曲はハイドンの「ハンガリー風ロンド」。10年間一緒に活動してきた仲間ならではの息の合った演奏でした。とくに先生が3人の門下生達の音をひとり一人よ~く聴きながら、時々3人をいつくしむように見渡していた姿が印象的でした。また今回で話音倶楽部実行委員からは卒業する森さんと田島さんも、この曲を弾き終わった時にはひときわ感極まった様子で、見ていた私も感激してしまいました。

いつまでも鳴り止まない拍手に「それでは2曲アンコールを用意しておりますので、あと2曲お付き合いください」と始まったアンコール。ムニエルの「スコティッシュ」とメツァカーポの「トレード」で、最後はとても楽しげなアップテンポの曲で終了しました。


来年からは新たな実行委員で、新しい企画も考え中との事。春か夏には立ち上げたいと準備をしているそうです。森さん、田島さんの高校時代から続くゴールデン・コンビは今後も二重奏を中心に活躍の場を広げていきたいと希望に燃えていました。先生、実行委員の皆さん、これからもますますご活躍なさって、私達に素敵な音楽を聴かせてください!!
今日は素敵なクリスマス・プレゼントをありがとうございました。
                                 (真木聡美 記)         
                                  レポートありがとうございました


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                 ~~  出演者から  ~~

       第44回話音倶楽部

■松下やよい              
今年最後の話音倶楽部、お越しくださった皆様有り難うございました。
出演してくださった演奏家の皆様からは毎回いろいろな勉強をさせていただき、そしてわざわざ足を運んでくださったお客様からは温かい言葉をかけていただき、こんな幸せなことはありません。皆様一年間有り難うございました。
10年を過ぎまして、これからも皆様と一緒に素敵な音楽を楽しんでいきたいと思っています。来年も話音倶楽部を宜しくお願いいたします。

■森 真理
10年間、ありがとうございました。話音倶楽部の活動を通じて、たくさんの演奏家との出会い、そしてお客様との出会いに恵まれました。年末の実行委員コンサートでいろいろな曲に取り組んだことは、これからも自分の演奏に影響を与え続けると思います。
毎年、発表の場をいただけたことに感謝しています。
新たなスタートを前に、身の引き締まる思いでいっぱいです。

■田島泰子
話音倶楽部の温かい雰囲気の中で、いろいろなアンサンブルを経験し、たくさんの曲を演奏する機会を与えていただいたことを本当に感謝しています。今回はいつにも増して緊張してしまい、演奏については反省点、後悔ばかりですが、それを今後の課題として、少しでも進歩できるよう努力していきたいと思います。
10年間どうもありがとうございました。新しいメンバーによる話音倶楽部もどうぞよろしくお願いいたします。

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●プログラム● -----------------------------------------------------------------

第Ⅰ部
<マンドリン二重奏 片岡道子・松下やよい>
  二重奏曲 ニ長調  ・・・G.B. ジェルバジオ
  五つの印象  ・・・M. シュトラウス

<マンドリン二重奏 田島泰子・森真理>
  ポロネーズ  ・・・L.v. ベートーヴェン/C. ムニエル編
  2つのヴァイオリンのための協奏曲より第1楽章  ・・・J.S. バッハ

第Ⅱ部
<マンドリン・ピアノ三重奏 片岡道子・松下やよい・片岡夏子>
  夜明け  ・・・R. カラーチェ
  華麗なメヌエット  ・・・R. カラーチェ

<マンドリン二重奏 田島泰子・森真理>
  プレイアデス舞曲集より  ・・・吉松隆
   さりげない前奏曲
   西に向かう舞曲

<マンドリラ三重奏 森真理・田島泰子・片岡道子>

<マンドリン四重奏 片岡道子・森真理・田島泰子・松下やよい>
  チェンバロ協奏曲 ニ長調 第3楽章  ・・・J. ハイドン

アンコール
<マンドリン、マンドリン、マンドラ、ギター四重奏 田島・森・松下・片岡道>
  スコティッシュ  ・・・ムニエル
  トレド  ・・・メッツァカーポ

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