片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2007年10月14日  第43回話音倶楽部

2回公演 ①午後2時開演
       ②午後6時開演

出 演: アンドレイ・ゴルバチョフ (バラライカ)
     タチアナ・ハーニノワ (ピアノ)


第43回コンサートのゲストは
バラライカ奏者のアンドレイ・ゴルバチョフさんとピアニストのタチアナ・ハーニノワさんです。
話音倶楽部始まって以来初の1日2回公演、そして両公演ともお客様は超満員。
珍しい外国人のゲストということもあり、緊張と期待と熱気に包まれて演奏会は始まりました。

1曲目は、スカルラッティ作曲のソナタハ長調。バラライカといえばロシア民謡のバックで流れているトレモロ、という印象が強かったので、バロックの演奏はとても新鮮でした。速いテンポで、威勢よく演奏されました。
2曲目のパガニーニ「24の奇想曲」の主題による変奏曲はバラライカ独奏です。バラライカの様々なテクニックを駆使した熱演でした。
第43回話音倶楽部1  第43回話音倶楽部2

ここでバラライカの歴史、奏法についてゴルバチョフさんから解説がありました。
バラライカが生まれたのは今から約400年前ですが、コンサートで演奏されるようになったのは120年位前から、そしてクラシックや近代音楽を演奏するようになったのはわりと最近のことだそうです。
弦は低い方からミ、同じくミ、ラの3本。2本のミは音の高さも同じで、ナイロン弦やカーボン弦が使われ、ラにはスティール弦が使われています。
演奏にはピックは使わず、指だけで演奏します。奏法には人差し指だけのピチカート、人差し指でマンドリンの重音トレモロのように複数の弦を弾く方法、親指と人差し指のピチカート、ギターのように親指から薬指までを使うピチカートなどがあり、フレーズや出したい音色、曲のテンポなどによってこれらの奏法を使い分け、さらに右手でブリッジの上を押さえるビブラート、左手で弦をはじく奏法なども組み合わせて演奏されます。
また、あんなに激しく指で演奏するのだから演奏者の右手の指先はさぞや硬いのだろうと思いきや、指先はとても柔らかいそうです。いい音はむしろ指先が柔らかくないと出せないので、お手入れは欠かせないそうです。

3曲目はカルメン幻想曲。これもまた難曲ですが、余裕たっぷり、ときどき上を見上げ、微笑みながら楽しそうに演奏されるゴルバチョフさんの表情が印象的でした。
前半最後の曲はファリャのスペイン組曲から、アストゥリアンナとポーロ。元々バラライカのために作曲されたのではない曲を、弦が3本のバラライカで演奏するのはとても難しいそうですが、バラライカで弾いて自然に聴こえるように編曲する(その編曲作業も大変だそうです)ので演奏に全く問題はないそうです。どんな楽器であれ、大事なのは楽譜を弾くのではなくその音楽をいかに表現するかということです、というお話もありました。

休憩を挟んで、         第43回話音倶楽部6

後半の1曲目は、カッチーニのアヴェマリア。ハーニノワさんは初めて楽譜を広げます。アンサンブルの場合ピアニストは楽譜を置いて演奏することがほとんどだと思いますが、ハーニノワさんはこの曲とプログラム最後の曲を除いて全て暗譜で演奏されました。演奏中も斜めうしろに座っているゴルバチョフさんを全く見ないのに、お二人の呼吸はぴったり、テンポがものすごく早い曲で合わせるのが難しいと思われる曲も少しもずれることがないので本当に驚きました。
2曲目はバレエ「アニュータ」から行進曲とタランテラ。行進曲は兵隊の行進をユーモラスに表現した曲。タランテラは簡単そうに聴こえるけれども実際は大変難しい曲で、バラライカのコンサートでは他に聴いたことがなく、演奏できるのはゴルバチョフさんだけではないでしょうか、というハーニノワさんのお話がありました。
3曲目はイントロダクションとチャルダッシュ。ハンガリーで演奏したときには、ウクライナ人のハーニノワさんがハンガリー人と間違われたほど大好評だったそうです。ハーニノワさんご自身も大好きな曲とおっしゃるだけあって、演奏は大変表情豊かで、ピアノを弾いている腕の動きがまるでダンスをしているかのようでした。
最後の曲は「ポーギーとベス」の主題による幻想曲。ブルース風、ジャズ風、フォークソング風といろいろなメロディーが出てきて、力強く、楽しくて、華やかな演奏でした。後ろの方のお客様は立ち上がって聴いていらっしゃいました。
第43回話音倶楽部3  第43回話音倶楽部4

拍手喝采に答えてのアンコールに、お昼の部ではシャ・スティルという、「シーッ!静かに」という意味の題名の曲を、夜の部では「森の中で蚊がたくさん生まれた」というユニークなロシアの曲を演奏してくださいました。
アンコールのあとのQ&Aでは、楽器の構造、奏法や楽器の種類、ロシアの音楽教育、暗譜についてなどなど、たくさんの質問が出て、ひとつひとつに丁寧に答えてくださいました。
熱気に満ちたお部屋で、汗をふきふき、2時間近くの熱演とお話は大変だったと思いますが、疲れも見せず、夜の部では更にパワーアップした演奏だったように思います。
お二人がそれぞれの楽器を心から愛し、音楽を楽しんで演奏されていることが伝わってきました。


夜の演奏会のあとは打上げで盛り上がりました。
ロシアでは、お酒は必ず乾杯をしてから飲むというルールがあるので、宴席では次から次へと出席者がスピーチをして乾杯の音頭をとってはお酒を飲むのだそうです。この日は周りの誰もそれをしてくれないので、ゴルバチョフさんが何度も立ち上がって、この日の演奏会に、片岡先生に、バラライカ・マンドリン・その仲間の楽器に、女性達に、といろいろな乾杯をしてくださいました。
また、コンサート中にお話のあった柔らかい指先にみんなで触らせてもらいました。ハーニノワさんからは、ショスタコービッチにレッスンを受けたときの秘話をうかがうことができ、大変楽しい打上げとなりました。
第43回話音倶楽部7    第43回話音倶楽部5  

通訳の小川さんにも大変お世話になりました。
その他いろいろとお手伝いしてくださった皆様、本当にどうもありがとうございました。 (田島 記)


  **************************************

           〜 お2人に素敵なサインをいただきました 〜


    第43回話音倶楽部8


         このように私たちを迎えていただき感謝の気持ちでいっぱいです!
         とても温かみのある、居心地のよい空間でした。
         幸運とご成功をお祈りいたしております。
         With the best wishes!Always yours 
         クラシック・デュエット  アンドレイ・ゴルバチョフ

         またお会いしましょう!皆さんへ熱いキスを贈ります。
                        タチアナ・ハーニノワ

  **************************************


●プログラム● -----------------------------------------------------------------

第Ⅰ部
・ソナタ ハ長調  ・・・D. スカルラッティ
・パガニーニ 『24の奇想曲』の主題による変奏曲  ・・・P.I. ネチェポレンコ
・カルメン幻想曲  ・・・P. サラサーテ 
・スペイン組曲より アストゥリアンナ、ポーロ  ・・・M.D. ファリャ 

第Ⅱ部
・アヴェ マリア  ・・・D. カッチーニ
・バレエ「アニュータ」より 行進曲、タランテラ  ・・・V. ガヴリーリン
・イントロダクションとチャルダッシュ  ・・・A.ツィガンコフ
・ガーシュインのオペラ 『ポーギーとベス』の主題による幻想曲  ・・・I. フロロフ 

アンコール
pm2:00の部 ・シャ・スティル(シーッ!静かに)  ・・・A. ビゾフ
pm6:00の部 ・森の中で蚊がたくさん生まれた

----------------------------------------------------------------------------------------