片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2006年07月02日  第37回話音倶楽部

出演:高橋和彦(マンドリン)
    夏川由紀乃(ピアノ)

話音倶楽部第37回コンサートは、福岡在住の高橋和彦さん(マンドリン)・夏川由紀乃さん(ピアノ)をゲストにお迎えしました。 東京でお2人の演奏を聴ける貴重な機会ということで、たくさんのお客様がいらしてくださいました。

第37回話音倶楽部 第37回話音倶楽部

1曲目は「ドムラ協奏曲」より1楽章。 「日曜日に市場へ出かけ〜♪」でお馴染みのフレーズが出てくる曲です。 開演直後というのは、コンサートの中でも一番緊張する瞬間。 それを考慮して、手堅い曲から始めたい気持ちになるところだと思いますが、高橋さんはいきなりこの選曲です。 軽やかに演奏される速いパッセージ、そこに迫力のある夏川さんのピアノも加わって、客席は一気にお2人の世界に引き込まれました。

華やかな幕開けの次は、「アメイジング・グレイス」と「サンライズ・サンセット」でほっと一息。 4曲目の「幻想的ワルツ」は、研究所の発表会で毎年プログラムに入る人気曲です。 速いところはあくまで速く、歌い込むところはたっぷりと。色彩豊かな表現に、感嘆の声が上がりました。

Ⅰ部の最後は、ピアノ独奏。 冬季オリンピックの荒川静香さんの演技を見て感動したので、と「幻想的即興曲」を演奏されました。 「最初の音ひとつで、ドーンと衝撃を受けた」との感想を、終演後にお客様から伺いました。 2曲目は、「ブラジレイロ」。ブラジルのショパンといわれるナザレーの作品です。 ショパンのような美しい旋律と南米らしい陽気さが感じられる曲で、夏川さんの魅力が存分に発揮されていました。

第37回話音倶楽部 第37回話音倶楽部

休憩を挟んで、Ⅱ部はマンドリンの独奏曲、「桜」でスタートです。 研究所で聴きなれたゆっくりしたテンポとは違い、さわやかに軽やかにあっさりと演奏され、曲の印象がだいぶ変わりました。

夏川さんとの二重奏、「宵待草」「花」「アニー・ローリー」「ア・タイム・フォー・アス(ロミオとジュリエット)」は、誰もが知っているポピュラーな曲でありなが ら、とても凝ったアレンジで、息の合ったアンサンブルを楽しませていただきました。

曲の合間には、高橋さんの楽器のことや、ご夫妻の出会いのきっかけについて、客席から質問が飛びました。 「マンドリンと初めて共演したときの印象は?」という問いに対して、夏川さんの答えは、「思っていたより、ずっと表現力のある楽器だと感じました」とのことでした。 最後は「チャールダーシュ」で華やかに終演。 鳴り止まぬ拍手に応えて、アンコールに「踊りと歌」を演奏してくださいました。

出演者を囲んでの打ち上げには、演奏に感銘を受けたたくさんのお客様が参加され、音楽の話や九州の話などで大いに盛り上がりました。 高橋さん、夏川さん、素敵な演奏と楽しいお話、どうもありがとうございました。                                    (森 記)