片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2005年09月18日  第34回話音倶楽部

出演:ウエキ弦太(Vo、Gtr)、新岡誠(Bass)

第34回話音倶楽部のゲストにはギター&ヴォーカルのウエキ弦太さんとウッドベースの新岡誠さんのお2人をお招きしました。 楽しいトークを織り交ぜて、弦太さん憧れのギタリストだというバーデン・パウエルの曲や、弦太さん作曲の曲、弦太さん作詞作曲の曲、A.C. ジョビンの曲ほかを、心地よいギターと低音のベースとのデュオで、ギターのソロで、弦太さんの弾き語りでと、多彩に演奏してくださいました。

第34回話音倶楽部

おそらく普段のライブ演奏とはちょっと違う雰囲気だったでしょうか(お客さんが真面目に正面向いて座っているので違いますよね)。 ちょっと緊張の面持ちでスタートしたコンサートでしたが、世間話から、日ごろのライブの話に、スタジオでの録音の話、今日持っていらしたギターの話・・・・・お客さんと直に気楽に会話する弦太さんのトークで、どんどんリラックス。 横でベースを片手に合いの手を入れる新岡さんはどっしりと包容力があり、みんな、お2人の魅力に惹きこまれていきました。

第34回話音倶楽部 第34回話音倶楽部

ギターとベースとのデュオでは、互いにメロディーをとってアドリブ(完全なアドリブかどうかはわかりませんが)のように演奏するところもあって聴きごたえがありました。 ベースはエレキベースと間違えないようにウッドベースと呼んでいますがコントラバスのことです。 今日の演奏はすべてピッチカートでしたので、指先にさぞかし硬いたこができているのでは?と思って、終演後、新岡さんに指を見せていただきましたが、コチコチなんてことは全然なくてびっくりしました。 今日のようにピアノが入らないときは、ベースが低音の音だけでなく、テンポ、リズムも支えているとのこと。 弾きながらリズミカルに呼吸して、身体全体でリズムを刻んでいらっしゃいました。

弦太さんは今日のコンサートで2本のギターを弾きました。 1本はアコースティックギターのようで弦もアコースティックギターと同じものだそうですが、駒の裏に付けたピエゾマイクで弦の振動を拾ってアンプを通して音を出します。 もう1本はエレキギターでスチール弦。 2本は音色が全く違うわけですが、どちらで弾かれても弦太さんの奏でるギター、骨太だけれど、とっても情感のある優しい音色が心に残りました。

第34回話音倶楽部

そして、弾き語りの曲は弦太さんの魅力満載! 歌声にもギターにも優しさと思いやりがいっぱいで、みんな頑張って!っと応援されているような感じがしました。 弦太さんの三重のおばーちゃんが口ずさんだ古い唄に曲をつけたという「梅干しの唄」がとても印象的でした。

ウエキ弦太さんは米国ボストンのバークリー音楽大学出身のギタリスト。 ご自身の音楽を「ブラジル音楽、ポップス、ジャズのテイストを融合させた独特のサウンド・スタイルとして確立」とプロフィールの中で紹介なさっているとおり、ボサノバっぽいような、ジャズ風なような、いやいやポップスのような、いろいろな色のある、楽しくて親しみがあって、そして優しい音楽を聴かせてくださいました。
(都筑 記)

● プログラム ●
/// 第1部 ///

・Just The Way You Are   Billy Joel
・Apelo           Baden Powell
・O Astronauta       Baden Powell
・梅干の唄         作詞不詳/作曲:ウエキ弦太/補作詞:矢木祥恵
・熱帯魚          作曲:ウエキ弦太/作詞:矢木祥恵
・夏の思い出        作曲:中田喜直/作詞:江間章子

/// 第2部 ///

・Samba do Aviao      A.C. Jobim
・Samba de Uma Nota So   A.C. Jobim
・Manha de Carnaval     Luiz Bonfa
・Go For It !        作曲:ウエキ弦太
・明日が見えるまで     作曲:ウエキ弦太/作詞:矢木祥恵&ウエキ弦太
・Garota de Ipanema     A.C. Jobim