片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2004年12月23日  第30回話音倶楽部

出演: 片岡道子(マンドリン)、松下やよい(マンドリン)
    森真理(マンドリン)、田島泰子(マンドリン)
    都筑文子(ギター)

今回の話音倶楽部は、第30回目の記念コンサートでした。 出演者は片岡先生、松下さん、森さん、田島さん、都筑さん、年末の話音倶楽部にはお馴染みのメンバーです。 会場である研究所のドアを開けると、出演者みずからのお出迎えにドキドキ。 恐縮です。
この話音倶楽部には出演者のファンが多いとあって、演奏が始まる前から会場は熱気ムンムン、席は部屋いっぱいに並びました。 そんな会場の雰囲気の中、期待に胸を膨らませ、出演者の登場を待ちます。

第30回話音倶楽部 第30回話音倶楽部

Ⅰ部 1曲目は田島さんと森さんのマンドリン二重奏です。 1曲目というと、出演者も会場の雰囲気もかたくなりがちですが、今回はお二人の奏でる「ソナタⅠ(ルクレール)」が会場を気持ちよく流れていき、肩ひじはらずに聞くことが出来ました。 これで雰囲気作りはバッチリです。

次は松下さんと片岡先生のマンドリン二重奏です。ここで雰囲気が変わりました。 お客様からの熱い視線の中、奏でられる「ソナタ(プロコフィエフ)。 私はとにかく夢中になっていました。 演奏が終わってすぐの拍手、お客様の「う〜ん」「わぁ〜」「すごい」などの、反応が入り交じった声。印象が強く残った曲でした。

三曲目は森さん、田島さん、都筑さんの三重奏です。 今度は都筑さん(ギター)が入り、前の曲の余韻を引きずっていた私に今までとは違う音が響き、会場に三重奏が馴染んでいきました。 曲は「2つのマンドリンとギターのためのトリオ(カンチェロ)」です。

第30回話音倶楽部 第30回話音倶楽部

Ⅱ部 1曲目は田島さんと森さんのマンドリン二重奏です。 ここでは休憩中に頂いた美味しいチーズとワインのおかげで更にくだけた雰囲気になり、マンドリンに対する質問が出ていました。 こうしたおしゃべりが入ると、出演者との距離が近くなったような気がします。

田島さんと森さんの息の合った演奏は、二重奏の持つ素敵な一面をかいま見た気分でした。 曲は「2つのマンドリンのためのソナチネop59Nr.1(ガル)」です。

次は出演者全員での五重奏です。田島さんが曲紹介をしたとき、ある場面の説明中に出演者の中から、「あら、そうだったの?」「知らなかった〜、言ってくれればいいじゃない」など声がもれ、会場に小さな笑いが。最後の曲が始まる期待の中、楽しい雰囲気で曲が始まりました。 曲は「シリウスへの帰還(ミゲル)」です。これはもともと二重奏の曲だということですが、今回は五重奏で聞くことが出来ました。 また、これまでとは違う雰囲気で、本当に宇宙に旅しているような気分です。 物語を想像しながら聞いていました。アンサンブルだと迫力があり、会場いっぱいに音があふれていました。


話音倶楽部は、出演者とお客様がおしゃべり出来る距離で音楽が流れています。 気持ちよい音楽、お客様の温かい拍手、あの会場の雰囲気に惹かれて、ついつい足が会場へと向かってしまうのです。 そんな感じを受けたコンサートでした。
(井上 記)          
レポートありがとうございました

/// プログラム ///
【Ⅰ部】
<二重奏>
ソナタ I (J. M. ルクレール)
1st M: 田島泰子  2nd M: 森真理

ソナタ (S.プロコフィエフ)
1st M: 松下やよい  2nd M: 片岡道子

<三重奏>
2つのマンドリンとギターのためのトリオ(P. カンチェロ)
1st M: 森真理   2nd M: 田島泰子 G: 都筑文子

【Ⅱ部】
<二重奏>
2つのマンドリンのためのソナチネ op.59 Nr.1 (H. ガル)
1st M: 田島泰子  2nd M: 森真理

<五重奏>
シリウスへの帰還 (A. ミゲル)
1st M: 田島泰子 2nd M: 森真理 Mandola: 松下やよい
Mandocello: 片岡道子  G: 都筑文子

<アンコール・五重奏>
マンドリン四重奏曲ニ長調 Op.128より 第1楽章 (C. ムニエル)
1st M: 田島泰子 2nd M: 森真理 Mandola: 松下やよい
Mandocello: 片岡道子  G: 都筑文子

話音倶楽部第30回コンサート
2004年12月23日(木)祝日・天皇誕生日に行いました。
毎年末に開く企画スタッフによる年忘れコンサートは今回で6回目となりました。 この一年間、話音倶楽部の夢に賛同くださってご出演くださったたくさんのプレイヤーに、聴いてくださったたくさんのお客様に感謝の気持ちを込めて、5人のスタッフは演奏いたしました。出演してくださった素晴らしい演奏家の皆様の音楽を、身近に感じて、聴いて、人柄に接して、たくさんの感性に触れて得たものを自分達の音楽に表現したいと思い演奏させていただきました。 それぞれに、一年間の積み重ねを聴いていただくこの時間がとても大切な勉強の場になっています。

こんな曲をマンドリンで?
これこそマンドリンミュージック!
こんな曲挑戦してみました。
一年かかってもまだ、未完成です!
この曲を聴いてほしい!

こんな我々の思いにいつの間にかお客様も引き込まれて行き、休憩時間のワインタイムでリラックスして楽しさが盛り上がりました。 楽しかった! 夢をもらった! 久しぶりにいいコンサートでした! あの曲はマンドリンに向かない! 練習不足? 表現がいま一つ! お帰りにはいろんな感想を聞かせてくださいました。 このご意見を大切に、また次回への課題にして話音倶楽部を続けてまいります。 これからも、いろいろな感性を発信してまいりますのでよろしくお願いいたします。
(片岡記)