片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2003年12月23日  第26回話音倶楽部

出演:片岡道子 松下やよい 森真理
   飯田泰子 田島文子

第26回話音倶楽部 第26回話音倶楽部

年末の慌しい時期でしたが、満員のお客様にご来場いただきました。 演奏者の座り位置を変えたせいか圧迫感もなく、今までより弾きやすいようでした。 マンドリン3台での三重奏は、初めての組み合わせでの演奏でした。ピッキング主体 のかわいらしい曲で、話音倶楽部の会場にはぴったりだったと思います。 今年9月にコンサートを開いた先生と松下さんの二重奏には、長年の研究の積み重ね と、2人の音楽の歴史が溢れていました。(森 記)

第26回話音倶楽部 第26回話音倶楽部

I部の1曲目、マンドリン2台とギターの三重奏「オリエンタル」はピアノ曲をフ ルート2本とギターのために編曲した曲です。東洋的なメロディーの揺れと呼吸の合 わせ方を意識しながら演奏しました。2曲目は、プログラムにはなかったのですが、 片岡先生が、マンドリン独奏で萩原朔太郎作曲の「機織る乙女」を演奏されました。朔 太郎は詩人を志す前にマンドリンで身をたてようとしていたそうです。演奏者の私た ちは客席で聴くことがかなわず残念でしたが、他では聴くことができない貴重な曲を 聴けるのは、話音倶楽部ならではのことでしょう。3曲目の松下さん、片岡先生のマ ンドリンとマンドラによる「ヴィジョンズ」は和声とリズムが特徴的な現代曲です。 4曲目の私と森さんのマンドリン二重奏「ベネズエラ組曲」も同じく現代曲で、音の 響きがとてもユニーク。本番前日の練習ではうまくいっていたのですが、本番はその 通りにはいかず、悔いが残りました。最後に、昨年の12月に亡くなられた比留間絹子 先生を偲んで、比留間先生の編纂されたメッツアカーポ曲集から4曲を四重奏で演奏 しました。どれもとてもいい曲で、練習も本番も楽しかったです。(飯田 記)

第26回話音倶楽部 第26回話音倶楽部

● プログラム ●
/// 第1部 ///

<三重奏> 1st M: 森真理、 2nd M: 松下やよい、 3rd M: 片岡道子
・スピールムジーク:SPIEKMUSIK (A.ボックマン)
  - Belet
  - Ruhig
  - Lebhaft
  - Lebhaft

<二重奏> 1st M: 片岡道子、 2nd M: 松下やよい
・ソナタ2番より:from Sonata No.2 (J.S.バッハ)
  - Andante in C dur
  - Fuga in A moll

<二重奏> 1st M: 飯田泰子、 2nd M: 森真理
・二重奏曲 第1番:Concertante Duo No.1 (F.フィオリオ)

/// 第2部 ///

<三重奏> 1st M: 飯田泰子、 2nd M: 片岡道子、 3rd M: 田島文子
・オリエンタル:Oriental (E.グラナドス)

<二重奏> M: 松下やよい、 Mandola: 片岡道子
・ヴィジョンズ:Visions (S.パチ)
  - Allegro Ferece
  - Fellebile
  - Allegro giocoso

<二重奏> 1st M: 飯田泰子、 2nd M: 森真理
・ベネズエラ組曲:Suite Venezolana for zwei Mandolinen (J.A.ザンブラーノ)
  - Fiesta Criolla
  - Tonada
  - El Morenito
  - Las Mariposas del Bosque

<四重奏> 1st M: 飯田泰子、 2nd M: 森真理、 Mandola:松下やよい、 G:片岡道子
・メッツァカーポ曲集
  - 幼きモーツァルト
  - 幻影
  - ルイ15世のメヌエット
  - 可愛い召使い

■ お客様からコメントを頂きました
話音倶楽部のホームコンサートを聴くのは、今回で二回目になります。 前回の時も感じましたが、今回も演奏者とお客の隔たりを感じさせない 和やかな楽しい演奏会でした。 2人から5人の重奏のプログラムでしたが、小合奏の難しさというのは お互いの呼吸を合わせることと、お互いの音を聴きながら演奏することだと 思っています。 1人が自分のテンポで弾いてしまえばバラバラになってしまうし、音量の バランスなど考えながら弾かないとつまらないものになってしまうからです。 けれども片岡先生のご指導あっての事と思いますが、本当にみなさん それぞれ息もぴったりでしたし、互いの音を尊重しあいながら演奏は とても心地よく、暖かみのあるものでした。 これこそ室内楽の醍醐味なのではないでしょうか。 話音倶楽部のみなさん、お疲れさまでした。 また次回のコンサートも是非うかがいたいと思います。

● 出演者からのコメント
/// 松下やよい
■ 今年も一年間、話音倶楽部が回を重ね、私たちのコンサートで無事に締めくくる事が出来ました。 この話音倶楽部を応援してくださるたくさんの方々に支えられてのことと、心から感謝致しております。 今回の話音倶楽部は、いつもピアノで参加しています夏子さんが、お仕事の都合で欠席となり、仲間としては少し寂しく感じましたが、 今までなかった組み合わせも考え、バラエティにとんだプログラムになったのではないかと思います。 私自身は今回もいろいろな種類の音楽やパートに挑戦させていただき、たくさん勉強をしました。 今回の反省を踏まえてまた少しでも成長できたらと思っています。 お忙しい中をお越しくださいました皆様、お手伝いくださった皆様、有難うございました。 これからも話音倶楽部をよろしくお願いいたします。

/// 飯田泰子
■ 12月のコンサートは、いつも満員で、お客様は演奏を大変熱心に聴いてくださいます。 とてもありがたいことです。 演奏回数を重ねるごとに課題が多くなる一方のような気がしますが、来年の12月の演奏会のために、さっそく1月から活動開始したいと思います。

/// 森真理
■ 飯田さんと私の二重奏は、話音倶楽部の開催年数と同じ6年目を迎えました。 いつか2人でコンサートをすることを目標に、今後も勉強を続けていこうと思っています。 演奏会の素晴らしさは、発信したことに対する反応があることではないでしょうか。 アンサンブルをしている奏者同士、奏者とお客様。そこから、また新しい何かが生まれる気がします。 発表する機会をいただけることに感謝して、真摯な姿勢で音楽に向かい、心をこめて演奏をしていきたいと思っています。

/// 田島文子
■ 6回目となる話音倶楽部実行委員のコンサート。 多くのお客様にいらしていただき楽しく演奏できましたこと、ありがとうございます。 メンバー5名中、今回は例年とは違う組み合わせでの演奏もあり、弾いている自分たちも新鮮な気持ちになりました。 その気持を大事に、来年へむけて取り組んでいきたいと思います。