■ 出 演
・ 片岡 道子 - マンドリン
・ 松下やよい - マンドリン
・ 片岡 夏子 - ピアノ
・ 服部 正美 - パーカッション(特別出演)
■ 日 時 2003年 9月1日(月) 6:30pm開場 / 7:00pm開演
■ 場 所 ムジカーザ (渋谷区西原)
2003年9月1日、ムジカーザ(代々木上原)にて、片岡道子、松下やよい、片岡夏子による「二つのマンドリンとピアノの音楽会」が開催されました。
【プログラム】
第1部
・五つの小品 (D. Shostakovich)
Prelude Gavotte Elegy Waltz Polka
・ソナタ五番 (J. M. Leclair)
Allegro Ma Poco Gavotta Presto
・ロンド (R. Calace)
・ウィーンの哀愁 (G. Wagenheim)
第2部
・伝統的な前奏曲、ワインのおどり (P. Chamorro)
・ケニアン・ファンタジー (伊藤康英/山下康介)
スピリチュアル ポレポレ(ゆっくり)
バラード ンゴマ(太鼓のおどり)
トゥエンデ(Let’s go) ロマンス ビギン
長い間あたためてきた企画への思い入れが感じられる音楽会でした。1部は三重奏 「五つの小品」のドラマチックなピアノの前奏で始まりました。それぞれの楽章の異 なる表情や楽章の中での曲想の変化がよく現れていて、すぐに音楽に惹き込まれてい きました。続いて、バロック曲「ソナタ五番」が、息のあった、多彩な音色のマンド リン二重奏で披露され、1部の最後に、片岡道子が、娘である夏子のピアノ伴奏でマ ンドリン独奏を2曲演奏しました。「ロンド」はマンドリンを習う人なら誰もが一度 は弾く、いわば定番曲です。軽やかに、生き生きと演奏され、聴きなれた曲であるに もかかわらず、異なった表現で繰り返されるテーマに新鮮な思いで耳を傾けました。 「ウィーンの哀愁」は、優しく、激しく、時に美しく流れるように奏でられるマンド リンとピアノのハーモニーが心に響きました。テンポが変わるごとに、ピアノがさり げなくマンドリンをリードし、呼吸もぴったり、さすが母娘と思わせる演奏でした。
2部の「伝統的な前奏曲」「ワインのおどり」「ケニアン・ファンタジー」は特に印 象深いものでした。マンドリン二重奏の現代曲「伝統的な前奏曲」「ワインのおど り」では2つのマンドリンのかけあいがとてもおもしろく、オリジナルならではのマ ンドリンの魅力を十分に味わうことができました。「ケニアン・ファンタジー」はア フリカの民族音楽のリズムと美しいメロディーを備えた曲です。マンドリン二台とピ アノに、特別出演の服部正美さんのパーカッションが加わって、音楽の持つエネル ギーがより一層強く感じられ、まるでアフリカの雄大な大地、夕焼け、星空など、 様々な風景が目の前に迫ってくるようでした。
今回のコンサートの前売券は早々に完売し、会場にはたくさんのお客様がいらしてく ださいました。「24時間テレビ」でマンドリン演奏にチャレンジされた金子さん、高 橋さん、長谷川さんも最前列で演奏に聴き入っておられました。アンコールは、カ ラーチェ作曲の「甘い思い出」と、皆さんが番組で演奏された「星に願いを」でし た。とても素敵なアレンジで、会場には再び8月24日の感動がよみがえり、大きな拍 手とともに音楽会は幕を閉じました。(飯田 記)