片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2003年06月29日  第24回話音倶楽部

出演:山崎万理子(オカリナ)さん、小山勝(ギター)さん

第24回話音倶楽部

今回の話音倶楽部では、オカリナ奏者の山崎万理子さんとギタリストの小山勝さんのお二人によるデュオの演奏をお楽しみいただきました。  共にオカリナ界とギター界を代表する奏者であるお2人の、息のあった演奏と軽妙なトークに、会場にはとても和やかな空気が流れました。

オカリナはイタリア生まれの楽器で、本当は「オカリーナ」というそうです。 演奏する曲によっていろいろな大きさのオカリナを吹き分けていらっしゃいましたが、それは単に大きさが違うだけでなく、それぞれの楽器で出せる音程や調が 決まっていてC管、F管などと呼ばれ、曲に合わせて使い分けているのでした。 1台の楽器が出せる音域も決まってしまっているので、演奏する曲はその範囲に音符がおさまるよう、音を変えたりする工夫が必要なことが多いとのことでした。 このたびのコンサートでは、私達の知っている曲も多数含む様々なジャンルの曲を演奏してくださいましたが、すべて、ギターの小山さんが、オカリナとギターというスタイルに編曲したものだそうです。

山崎さんの演奏するオカリナは、ご自身の醸し出す雰囲気とぴったりの、明るく華やかな音色、それを盛り上げる小山さんのギターの落ち着いた心に響く音。 あっという間に過ぎた1時間半でした。

第24回話音倶楽部 第24回話音倶楽部

● プログラム ●
/// 第1部 ///

セビリアーナ              ・・・ガルシア・ロルカ
グリーンスリーヴス           ・・・イギリス民謡
アフロキューバン・ララバイ       ・・・レオ・ブロウェル
アリア(「ブラジル風バッハ第5番」より)・・・エイトール=ビラ・ロボス
ボルト I 、II             ・・・ミハエル・プレトリウス

/// 第2部 ///

アンダルーサ(スペイン舞曲第5番)   ・・・エンリケ・グラナドス <ギター独奏>
四つのカタロニア民謡
  1.聖母の御子 2.凍った12月(クリスマスの夜) 3.鳥の歌 4.羊飼いの娘
ジムノペディ第1番、ジュ・トゥ・ヴー(ワルツ) ・・・エリック・サティ
カヴァティーナ(映画「ディア・ハンター」より) ・・・スタンレー・マイアー
ソー・イン・ラブ                ・・・コール・ポーター
フライ・ミー・トウー・ザ・ムーン        ・・・バート・ハワード

● 山?万理子(オカリナ)
横浜出身。東京音楽大学卒業。声楽とピアノを学ぶ。オカリナを中塚純二氏に師事。
1997年楽器フェア及び1998年大楽器祭のオカリナ講座講師。
1999年NHKハイビジョン「ときめきワイド」に生演奏で5日間出演。
1999年と2000年FM西東京「音楽の森」ゲスト出演
2000年フランス、ノルマンディーでの文化交流音楽祭に出演。
その他、銀座十字屋「午後のサロン」、銀座「スエヒロ」クリスマスコンサートなど、数多くの演奏会、パーティ、講演会等に出演。

オカリナという楽器から想像される素朴なイメージをはるかに越えた、華やかでスケールが大きく、洗練されたその演奏でオカリナ界を常にリードしている。 また近年は、リコーダーを向江昭雅氏に師事し、リコーダー演奏から得た表現方法をオカリナ演奏にも積極的に取り入れ、オカリナ演奏の可能性をさらに広げている。

杉並区及び三鷹市の市民大学講座講師を経て、現在、産経学園横浜校、よみうり日本テレビ文化センター荻窪、ぼーぐなんオカリナ教室浦和校、日本音楽アカデミーオカ リナ通信講座の講師。また荻窪教室にてアンサンブルを指導。 その的確なオカリナ指導には定評がある。 2002年までオカリナカルテット「パスピエ」主宰。 1996年「初恋」(日本歌曲集)、1998年「エターナリー」(スタンダート曲集)、1999年「オカリーナの誘惑」(オカリナ四重奏)の各CDアルバムをリリース。


● 小山勝(ギター)
1960年日本大学芸術学部卒業。 ギターを溝渕浩五郎氏に、音楽理論を斎藤太計雄氏に師事。 1961年ヤマハ主催ギターコンクール第1位。1963年デビューリサイタルを行なうとともに、独奏、室内楽をはじめ、オーケストラとの共演など幅広い演奏活動を開 始。 また古楽器リュートの演奏も始め、1974年にリュート音楽とその奏法研究のため渡英、クリストファー・ウィルスン、ダイアナ・ポールトンに師事。 1978年ホノルルNBCホールにおいてリュートとギターによる最初のリサイタルを開催、好評を博す。 1988年G.カサドの改編によるボッケリーニのギター協奏曲を東京交響楽団(指揮・三石精一)との共演により本邦初演。 また、リュート奏者としての活動ではソロ活動のほか、多くの声楽家や古楽奏者たちと共演している。 指導者としても永年の経験をもち、1973年には宮内庁の指名により礼宮殿下(現秋篠宮)へのギターのご進講役を拝命。 以後、天皇ご一家のホームコンサートのメンバーに加わり、同コンサートへの演奏参加も30回以上に及んでいる。 「タルレガ35のエチュード」「こどものギターレッスン」(全音)「ジョン・ダウランド選集」「ギターソロによるバッハ/管弦楽組曲第2番」(現代ギター社)ほか多 数の著書がある。