片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2002年12月23日  第22回話音倶楽部

出演:片岡道子 松下やよい 森真理
   飯田泰子 田島文子 片岡夏子

第22回話音倶楽部 第22回話音倶楽部

1998年の12月から始まった話音倶楽部も今回で5年目に突入です。 そして12月は実行委員による演奏会。マンドリンとピアノやマンドリン2重奏や4重奏など、マンドリンがメインの演奏会です。 今回は会場の片岡マンドリン研究所が改装されて初めてのコンサートでした。 以前より少し広くなり、また少し音の響きが良くなったように感じます。

1部は片岡先生の(マンドリン)と片岡夏子(ピアノ)によるウィーンの哀愁(G.ワーゲンハイム)で幕を開けました。まさに哀愁漂うという感があります。 続いて片岡先生と松下によるソナタ 第5番(J.M.ルクレール)をマンドリン2重奏で。 曲はマンドリンの原点でもあるバロック時代の曲で、多彩なピッキングと装飾が必要とされます。 1部最後は森(マンドリン) 松下(マンドリン)片岡先生(マンドラ)田島(ギター)による四重奏曲 ハ長調(C.ムニエル)です。

第22回話音倶楽部

ここで休憩時間に入ります。ワインとクラッカーの登場です。 休憩時間の中で、お客様から片岡先生に「ホーム・スイート・ホーム(ペッティーネ)を弾いて欲しい」との声があり、2部の最後の方で演奏されました。 このように奏者と観客が同じ高さで会話し、両者が演奏会を作りあげているのがはっきりとわかるのが話音倶楽部の面白いところだと思います。

第22回話音倶楽部 第22回話音倶楽部

2部は飯田(マンドリン)と森(マンドリン)の2重奏でワルツ・ブリランテ(F.ショパン 編曲:C.ムニエル)。次は同じく2重奏で二重奏曲第5番(D.P. カウチェッロ)です。 二人は高校時代からの付き合いで演奏だけでなく会話の呼吸もぴったりです。 2部の最後は片岡先生(マンドリン)と松下(マンドリン)、そして片岡夏子(ピアノ)によるケニアン・ファンタジー(伊藤康英/山下康介)です。 ケニアの民族音楽から発想を得た音楽だそうですが、どの楽章もリズムがおもしろくて、明るい雰囲気の曲でワインで和やかになった会場の雰囲気にとけこむようでした。

第22回話音倶楽部

アンコールは出演者全員でマンドリニストの行進(E.メッツァカーポ)でした。 この曲は片岡先生が12月7日に亡くなられた比留間絹子先生の門下生時代に子供オーケストラで良く演奏していた思い出深い曲。 元気良く演奏会を締めくくります。 これで今年の話音倶楽部は終了です。また、来年も楽しい演奏会がたくさん企画されています。お楽しみに。

● プログラム ●
/// 第1部 ///

・ウィーンの哀愁(G.ワーゲンハイム)        ・・・片岡道子 片岡夏子
・ソナタ 第5番(J.M.ルクレール)          ・・・片岡道子 松下やよい
  1.Allegro ma poco
  2.Gavotta
  3.Presto

・四重奏曲 ハ長調(C.ムニエル)           ・・・森真理 松下やよい
                             田島文子 片岡道子

/// 第2部 ///

・ワルツ・ブリランテ(F.ショパン)         ・・・飯田泰子 森真理
・二重奏曲第5番(D.P.カウチェッロ)

・ケニアン・ファンタジー(伊藤康英/山下康介)   ・・・片岡道子 松下やよい 片岡夏子
  1.Spritual
  2.Pole Pole
  3.Ballade
  4.Ngoma
  5.Twende
  6.Romance
  7.Beguine

アンコール

・ホーム・スイート・ホーム(ペッティーネ)     ・・・片岡道子
・マンドリニストの行進曲(メッツァカーポ)      ・・・片岡道子 松下やよい 飯田泰子
                             森真理 田島文子 片岡夏子

● 出演者からのコメント

/// 松下やよい
■ 1年を通じて、素敵な演奏と魅力溢れるお話をしてくださる演奏家の皆様と、お越しくださるお客様に感謝しながら、心地よいひと時を過ごして頂こうと努力しています。 そしてその感謝の気持ちをこめて、例年どうり今回の話音倶楽部となりました。 今回は、会場が改装されてから柿落としのコンサートです。 以前より音が響き、演奏していて気持ち良い感じがしました。 お客様のお席も余裕がある感じで、ゆったりと聴いていただけたと思います。 なんと言っても話音倶楽部の魅力は、演奏者とお客様の一体感です。 演奏していてさらにその思いを深くしました。 そして毎回、私達以外に、たくさんの方がいろいろなお手伝いをしてくださっています。 今回はそれを再確認し感謝の気持ちで一杯です。 この話音倶楽部が回を重ねていかれるのも、そんなたくさんの皆様のお陰です。 今年1年有難うございました。 また来年も、話音倶楽部をよろしくお願いいたします。

/// 飯田泰子
■ バロックの曲からケニアの民俗音楽をベースにした現代曲まで、また二重奏から6名全員での演奏と、大変バラエティーに富んだ楽しい演奏会だったと思います。 自分の演奏については反省点が多くありますが、同時に勉強になったこともたくさんありました。 来年は、完全燃焼できるようにがんばります。

/// 森真理
■ 話音倶楽部実行委員によるコンサートは今回で5回目になります。 試行錯誤をしつつ5年目を迎えることができたのも、素晴らしい演奏者と温かく応援してくださったお客さまのおかげだと、感謝の気持ちを新たにしました。 これからの抱負は、よりよい演奏を目指すことはもちろん、特に選曲に時間をかけて、じっくりと曲の研究にも取り組んでいこうと思っています。

/// 田島文子
■ 今年もまた1年間の話音倶楽部のコンサートが終わりました。 恒例となった12月の実行委員による演奏は改装された会場での初めてのコンサート。 どんな響きに変わったのか、いらしたお客様全員に心地よく聴いてもらえるには会場のどの位置で演奏しようか、と事前にいろいろと試してみました。 でもお客様が大勢いらっしゃる状態ではどうか? は、本当に本番を迎えるまでわかりませんでしたので、何回か話音倶楽部にいらしたことがある方々に、とても響きがよくなったとうかがい、うれしく思いました。 次回からは、この新しい響きの中に、新しい演奏者・新しいお客様方をお迎え出来ることを楽しみにしています。 これからも多くの方々と音楽とのふれあいを大切にする話音倶楽部でありたいと思います。 よろしくお願いいたします。