片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2002年09月23日  第21回話音倶楽部

出演:古野淳さん(ホルン)

第21回話音倶楽部 第21回話音倶楽部

今回は東京フィルハーモニー交響楽団のホルン副主席奏者、古野淳さんが出演し てくださいました。 ホルンを普通の家の部屋で演奏することができるのか?音は大きすぎないのか? と、どのような演奏会になるかは企画の段階から気にしていたことでした。古野 さんご自身も家の部屋という狭い空間で演奏会をするのは初めてとのことで、別 の日に2日もリハーサルをなさり、音の聴こえ方、響き、音量のバランス等を調 整なさりました。そしてそのリハを聴かせていただいた方もおり、今回は公開リ ハーサルつきの話音倶楽部となりました。

ホルンは大きく口を開いているラッパの部分は必ず横に向けて演奏します。トラ ンペットやトロンボーンのように正面に向けることはないのです。そして開いた 口の中に右手を入れて、空気がでてくる量を手で調節することで音程、音量、そ して音質までも変えることができます。またぐるぐると巻いている管の長さは伸 ばすと3mもあり、中に水蒸気がすぐたまってしまいます。管は途中が何ヶ所か はずせるようになっていて、演奏中に常に管をはずしては水気を払うのが、とて も興味深かったです。オーケストラでの演奏の最中もいつも床にパッパッと水を はらっているんですよとおしゃってました。

オーケストラで演奏するときのように全開の音量で弾くことはできないとのこと で、部屋の中での演奏にふさわしい音量に常に抑えて吹いていらして、それは体 力的にかなり疲れることだったようです。演奏曲目は、技巧的な曲、ロマンチッ クな曲、現代曲、またモーツァルトのホルン協奏曲のように居心地のいい曲など、 ホルンのいろいろな魅力をみせてくれる選曲になっていました。ピアノ伴奏はソ ロ、室内楽、歌曲伴奏等で活躍中の内山夏子さん。 古野さんは気さくで、おしゃべりが上手で、ウィットに富んでいて、その楽しい トークが、お人柄そのものの暖かいホルン音色と共に印象に残る素敵なコンサー トでした。