片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2001年10月20日  第16回話音倶楽部

第16回話音倶楽部 第16回話音倶楽部

第16回話音倶楽部はチターの内藤敏子さんをお迎えしました。チターの音色は知っていても楽器をを生で見るのは初めてというお客さまが多かったので、内藤さんが楽器や演奏方法などについて詳しくお話ししてくださいました。

プログラムは「チターといえばこの曲」という、誰にも馴染みのある曲がほとんどでした。 内藤さんのお人柄を感じさせる温かく楽しいおしゃべりで、今まで知らなかった曲の背景を知り、音楽から感じられるウィーンの森の空気とともにチターの音色が心に染みわたりました。

終演後は内藤さんの著書『「第三の男」誕生秘話 チター奏者アントン・カラスの生涯』をお求めのお客さまがたくさんいらっしゃいました。 1冊1冊に丁寧にメッセージとサインを書いてくださいました。 コンサートの余韻と本を胸に帰っていかれるお客さまの、満足感あふれる微笑がとても印象に残りました。

第16回話音倶楽部

◆ プログラム ◆
アルペンローゼの花の咲く頃 ・・・ 内藤敏子
ウィーンの森の物語     ・・・ J.シュトラウス
我夢の街ウィーン      ・・・ R.ジチェンスキー
第三の男          ・・・ A.カラス
カフェ モーツァルトワルツ ・・・ A.カラス
小さな幻想曲        ・・・ A.スメターク
ファッシネーション     ・・・ F.マルケッチィー
エーデルワイス メドレー  ・・・ R.ロジャース 他
さくら           ・・・ 日本古謡
心への道          ・・・ G.フロインドルファー

■内藤 敏子
武蔵野音楽大学弦楽科を卒業。 中野千代、林竜作、篠崎弘嗣各氏に師事。 17歳の時、来日中のソ連のバイオリニスト エ.ペスロードニー氏に認められ、モスクワへの留学を勧められる。 武蔵野音楽大学を卒業し、スイスh留学。 そこでのチターとバイオリンの共演がきっかけとなり、チターの魅力に引き込まれ、バイオリンでの演奏活動と共に、スイス・チューリッヒ市で10年間チター界の実力者で名声の高いJ.コーザ女史のもとでチターの勉強に取り組む。 また、映画「第三の男」で有名なチター奏者、アントン・カラス、そして今世紀を代表するドイツのチター奏者、ルーディ・クナーブル氏からもレッスンを受ける。

東ドイツの作曲家、E.ロメール氏から新しい作品「ロマンス」の初演依頼を受けチューリッヒ市のコンセルバトワール・ホールで演奏。 新聞などの音楽批評で「内藤敏子氏の深みのある音色の美しさは世界最高のもの」と高い評価を受ける。 また、ベルリン市での国際チターフェストで演奏し絶賛。 新聞、専門誌などに大きく取り上げられる。 ドイツのミュンヘン、ローデンブルグ、アウグスブルグ等での国際チターセミナーや学会などで演奏や講演等、国内外で活躍している。

帰国後は、日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団をはじめとするオーケストラとの協演も数多く、「題名のない音楽会」「名曲アルバム」「NHK−FM芸術祭参加番組」等のテレビ、ラジオの出演他、外国でのテレビ、ラジオ番組の出演も数多い。 また、ソロコンサート、LP、CD制作等、幅広い活動をしている。

人生の中で大きな事故や病気を経験し死線を何回かさまよった。 また、多くの苦労を伴う経験の中から得た独自の哲学を持つようになる。 芸術や文化は、思いやりのある優しさと厳しさが土台であること、芸術や文化が人間の生涯のエネルギーの源になるという信念を持っている。 音が人間に与える影響を大切に考え、チターの美しい音色で患者さんと共に生きている尊さを分かち合い、病院内での演奏活動も積極的に行っている。

多くの人々からの信頼と、公演を聴いた人々の感動は日本全国に及び、日本での随一のチターアカデミーの責任者としてチター演奏家、教育者等の育成にも力を注いでいる。 秋篠宮妃紀子殿下のチターの先生としても知られている。