片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2001年09月30日  第15回話音倶楽部(2日目)

第15回話音倶楽部 第15回話音倶楽部

井上さんの話音倶楽部コンサート2日目です。 昨日より多い満員の31名のお客様の中にはマンドリンの演奏を聴くのが全く初めてという方も多数いらっしゃり、プログラムは同じ内容ですが、1日目とはまた違った雰囲気の中コンサートが行われました。 前日に雑談で、井上さんがまだ学生だった頃に京都の楽器屋さんにカラーチェ1世のリュートモデルノがあり、是非ほしいと思っているうちに東京から来た人が買ってしまい、なくなってしまった。 という話をお聞きしたのですが、なんとそのリュートモデルノを持っているのが片岡マンドリン研究所の門下生である田島透氏でした。 そこで2日目のコンサートには、井上さんが演奏するのに持っていらしたカラーチェ1世製作のクラシコAのリュートモデルノと、田島氏のカラーチェ 1世製作のリュートモデルノ(1904年)の、2台のリュートモデルノがそろいました。

井上さんは初めて弾く楽器でお客様の前で演奏するのはよくないかなと言いつつ、アンコールで田島氏の楽器も弾いてくださりました。 カラーチェ1世作曲の曲を、カラーチェ1世製作のオールド楽器3台で奏でる井上泰信さん、そして、楽しい井上さんのおしゃべり。 聴いて、聞いて、笑って、見て、(楽器に)触れて、お話と音楽という話音倶楽部の名にぴったりの素敵なコンサートでした。

第15回話音倶楽部

◆ プログラム ◆
アメデオ    ・・・ Amedeo op.1
ポロネーズ   ・・・ Polonese op.36
アダージオ   ・・・ Adagio op.51
前奏曲第5番  ・・・ V Preludio op.71
望郷の唄    ・・・ Canto Nostalgico op.135 (リュートモデルノ)
マズルカ第6番 ・・・ Ⅵ Mazurka op.141
協奏曲第2番  ・・・ Ⅱ Concerto op.144 1.Maestoso
前奏曲第18番 ・・・ XVⅢ Preludio op.180 (リュートモデルノ無伴奏)
夜想曲「星空」 ・・・ Notturno-Cielo Stellato op.186

第15回話音倶楽部

今回はラファエレ・カラーチェ特集。 ラファエル・カラーチェ(Ⅰ世)作曲の作品を同カラーチェが製作した楽器で演奏するという特別(!?)企画。 それぞれの作品の特徴などを紹介しながらの演奏は、普段のリサイタルとは別の魅力がありました。

「望郷の唄」については、当時、カラーチェの演奏を聴いた中野二郎先生が「是非リュートモデルノでの演奏を聴きたかった・・・」と評した(カラーチェの演奏はマンドリンによる)曲。 今回は、その曲を中野二郎先生所蔵のリュートモデルノで演奏するという、非常に貴重な演奏となりました。

■井上 泰信
1975年京都生まれ。 同志社香里中高、同志社大学各マンドリンクラブにおいて指揮者として活躍。 1994年、ドイツでの第1回国際マンドリン独奏コンクール次位。 同年第14回日本マンドリン独奏コンクール第1位。 1997年第3回ロシア北方杯国際独奏コンクールマンドリン部門第1位。

1997年より「ARSNOVA Mandolin Orchestra」、1998年より「ARSNOVA Mandolin Quartet」を主宰。 本年より新たに室内楽活動の拠点として「ARSNOVA Mandolin Ensemble」を結成。

現在、京都教育大学、名古屋大学、東北大学、獨協大学、三重県立上野高校、同志社香理高各マンドリンクラブの指導にあたる。 木下正紀、川口雅行両氏に師事。