片岡マンドリン研究所
話音倶楽部
2000年10月28日  第10回話音倶楽部

第10回話音倶楽部

今回はブラジルの器楽音楽「CHORO:ショーロ」を「ROSA ROXA:ホーザ・ホーシャ」の皆さんによる演奏でお届けいたしました。 ショーロは1870年代にブラジルで生まれたインスツゥルメント音楽で、当初は映画の前座などで演奏されていましたが、その後Jazzに先駆け、即興演奏の要素を世界で初めて取り入れ発展した音楽のスタイル。ショーロには大きく分けて弦楽器を主体にした編成と管楽器を主にした編成がありますが、ホーザ・ホーシャではブラジルのマンドリンである”バンドリン”を用いてショーロのオリジナルスタイルを重視した演奏に取り組んでおられます。

演奏はショーロの作曲家ジャコー・ド・バンドリンやピシンギーニャ等の曲を中心にショーロに歌をつけたショーロ・カンサゥンや、サンバなど幅広く、 お客さんから次々と楽器や曲に関する質問が飛び出し多くの方が興味を持っていただけたようです。 特にアドリブを多用する曲については「どうやってフレーズを考えるのか・・・」等とかなり深い質問も飛び出し、休憩時間中にはカヴァキーニョの大道寺さんの楽譜に見入っている方もおられました。田嶌さん、栗山さん始め、皆さんの巧みなトークで質問コーナーもかなり盛り上がり、かなり長い(現在までの最長記録!)会となってしまいましたが、心地よい音楽のひとときでした。

ホーザ・ホーシャの活動や詳細については 山本のりこ さんのホームページをご覧下さい。
「ホーザ・ホーシャ ホームページ」

■ プ ロ グ ラ ム
▼第一部
01 Itapagipi (Luperuci Miranda)
02 Reminiscencias (Jacob do Bandolim)
03 Quem te Viu, Quem te Ve(Chico Buarque)
04 Ainda Me Recordo (Pixinguinha)
05 Nosso Romance (Jacob do Bandolim)
06 Conversa de Botequim (Noel Rosa)
07 Mistura e Manda (Nelson Alves)
08 Revendo o Passado (Freire Junior)
09 Carinhoso (Pixinguinha)
10 1x0 (Pixinguinha)
▼第二部
01 Guaracy (Altamiro Carrilho)
02 Santa Morena (Jacob do Bandolim)
03 Eu e Voce (Jacob do Bandolim)
04 Verde (Eduardo Gudin)
05 Pedacinho do Ceu (Wardir Azevedo)
06 Murmurando (Fon-Fon/Mario Rossi)
07 Sofres Porque Queres(Pixinguinha)
08 Carolina (Chico Buarque)
09 Sentimentos (Paulinho da Viola)
10 Noites Cariocas (Jacob do Bandolim)

【 ROSA ROXA:ホーザ・ホーシャ メンバープロファイル】
■中沼 浩(なかぬま ひろし) ・・・バンドリン
15才より5弦バンジョーをはじめる。 上京後、電気系ブルーグラスバンド”HERES FOR THERES”を結成、メタリックな エレキバンジョーを演奏する。様々なアーティストのレコーディングにも参加。 1990年頃よりブラジル音楽に傾倒。 現在ブルーグラス、カントリーのフィールドでバンジョー、ペダルスチールギター を演奏する一方、バンドリンによるショーロの演奏に力を入れている。重量感と パワーにあふれ、かつ優れた和声感覚を兼ね備えたプレイには定評がある。
■山本 のりこ(やまもと のりこ) ・・・ヴォーカル・ギター
1985年よりアメリカン・フォーク、ラテンのヴォーカリストとして関西のライブハウスで 歌いはじめる。1990年代初めよりブラジル音楽に傾倒しボサノヴァの歌唱法を得た後、 ギター弾き語りのスタイルに転身。現在、都内ライブハウスやホール・イベントに出演、 ストイックでいながら温かい声により独自の世界を表現している
■大道寺 界栄(だいどうじ さかえ) ・・・カヴァキーニョ
1989年、日本最大のサンバチーム「バルバロス」に参加。 その後、同チームのジレトール・ダ・バテリーア(打楽器隊監督)をつとめ、 浅草サンバカーニバル5年連続優勝に貢献。2000年にはサンパウロのカーニバルに参加し、 大勢のミュージシャンと交流を深める一方、サンバ・インストラクターとして全国各地で ワークショップを開催中。
■田嶌 道生(たしま みちを) ・・・6弦ギター
ブラジルミュージシャンとの共演は数多く、エヴァンドロ、ネルソン・サルジェント、 デオ・ヒアン、他とのコンサートツアー及びレコーディング、テレビ、ラジオなどに 出演している。ギターデュオ・グループ“ドゥーズ・コルデ”のメンバーとしても 活動中で、CD『Douze Cordes』『ピシンギーニャに捧げる一輪の薔薇』を発表。
■栗山 豊二(くりやま とよじ) ・・・パーカッション
1984年、サンバ・バンド「OPA」に参加。翌年脱退以降は国内外ポップスの様々な アーチストをサポートする。1989年にエヴァンドロの来日公演に参加し、ショーロの洗礼 を受け、以後、エンヒーキ・カゼス、ナラ・レオンなどブラジルの優れたミュージシャン 達と共演。彼らの純粋な音魂を引き継ぐべく、美しい伝統音楽ショーロの普及、発展に 心血を注ぐようになる。